北方方言(官話方言)

時間:2007-08-08 00:00作者:閲覧数:

北方方言は中国語の方言区分の一つで官話方言とも言われる。言語としては廣義の北方方言、北方話、北方語、北語などの呼称がある。また、共通語という意味で官話も使われる。尚、方言区は北方のみならず、南方にまで及んでいるため、「北」とすることに異議が唱えられることもある。北方方言は普通話の基礎となる方言である。
中国官話の代表は、北京語、天津語、東北語、西安語、成都語、南京語、揚州語などである。中国の東北、華北、西南、江淮の広い範囲に及んでおり、その使用率は漢民族人口の73%を占める。ただし、山西省を中心に話され、太原語を代表とする晋方言(晋語)は独立した大方言区とすべきとの意見がある。また、下位方言の江淮方言(下江官話)については呉方言に含めるべきとの意見もある。これは他の中国官話では消滅した入声(音節末子音が閉鎖音のもの)があるためである。中国官話は更に、下記の4大方言に区分される。

  1. 華北東北方言(華北方言、華北官話)- 北京、天津、黒竜江省、吉林省、山東省、遼寧省、河南省、河北省と内蒙古の一部、冀魯官話など。
  2. 西北方言(西北官話) - 陝西省、甘粛省、山西省の全域と青海省、寧夏、内蒙古の一部、及び中央アジアのドンガン人居住区。
  3. 西南方言(西南官話、上江官話) - 四川省、雲南省、貴州省、湖北省の大部分、広西省西北部、湖南省西北部。
  4. 江淮方言(江淮官話、下江官話) - 安徽省、江蘇省の長江以北の地域(ただし、徐州,蚌埠は除く)、江蘇省の鎮江以東から江西省九江以西にいたるまでの長江南岸地域。