漠川郷

概況

漠川郷（ばくせんきょう）は、桂林市興安県の東南に位置する、2,000年以上の歴史を持つ文化郷です。総面積は312平方キロメートルで、興安県で第二の規模を誇ります。明の崇祯十年（1637年）に地理学者の徐霞客が訪れ、その紀行文で絶賛したことで知られ、湘桂古道（湘桂古商道）の要衝として発展しました。現在も「中国温克葡萄第一郷」として名高い農業地帯であるとともに、1800年以上の古樟樹や清代の石拱橋など、歴史的遺産が数多く残されています。また、海底龍宮と呼ばれる鍾乳洞や原始森林など、自然景観にも恵まれ、「紅（歴史）・緑（自然）・古（文化）」の三要素を併せ持つ魅力あふれる地域です。

見所

榜上村の古建築群: 2,000年の歴史を持つ古村落で、青石板の路地や明清時代の建築が残ります。自治区の重点文物保護単位に指定され、2012年には中国第一批伝統村落にも選ばれました。
1800年の古樟樹: 高さ20メートル、10人で囲む巨木で、東漢時代から現存する「生きる化石」です。地元では豊穣のシンボルとして崇められています。
清代の石拱橋: 漠川河に架かる「化龍拱橋」は、1887年に建設され、現在も小型車が通行できる頑丈な構造です。精巧な石彫りが往時の繁栄を物語ります。
海底龍宮鍾乳洞: 最近発見された鍾乳洞で、内部はライトアップされ幻想的な景観を楽しめます。馬頭岩や船山など周辺の岩山群も見応えがあります。
協興梯田と银杏林: 龍脊棚田に似た段々畑と、秋に黄金色に染まる古い银杏の森が広がります。特に张家崎村の银杏公園は写真撮影に人気です。

入場料

主な見所は無料で見学できます（例：榜上村、古樟樹、石拱橋）。ただし、海底龍宮鍾乳洞や特定の文化施設では別途料金がかかる場合があります。詳細は現地でご確認ください。漠川(mò chuān)ハイシーズン（3月～11月）：7:30～17:30
ローシーズン（12月～2月）：8:00～17:00
※季節や施設により変動する可能性があります。住所
広西チワン族自治区桂林市興安県漠川郷榜上村。

公共交通機関
バス: 興安県城のバスターミナルから漠川郷行きのバスを利用します（運行本数は1時間に1～2本）。終点の榜上村で下車後、主要景点まで徒歩または現地の三輪タクシーを利用します。
車: 桂林市区からは県道を経由して約1.5時間です。沿途には葡萄畑の風景が広がります。古い石畳の道や階段は滑りやすいことがあります。歩きやすい靴の着用をお勧めします。
地元の農産物である葡萄や银杏は、許可なく摘み取らないようお願いします。観光農園では有料体験が可能です。
鍾乳洞内は温度が低く、足場が不安定な場所があります。薄手の上着と懐中電灯の準備があると安心です。
少数民族の村々では、住民のプライバシーを尊重し、民家や祭祀場の無断撮影は避けましょう。