曹操墓(高陵)

概況：
曹操墓（高陵）は、河南省安陽市安陽県安豊郷西高穴村に位置する、三国時代の魏の礎を築いた曹操（155-220年）の陵墓です。2008年に地元村民によって偶然発見され、2009年から本格的な発掘調査が始まり、2010年に河南省文物局により曹操の墓と正式に認定されました。墓は「甲」字形の平面構造を持ち、総面積約740平方メートル、最深部は地表から15メートルに及びます。墓室内からは「魏武王常所用挌虎大戟」と刻まれた石牌をはじめ、鉄剣、水晶珠、陶器など約250点の副葬品が出土し、曹操の遺骨と推定される60歳前後の男性人骨や、2体の女性人骨も発見されています。かつては「七十二疑冢」伝説もありましたが、考古学的調査により、この墓が曹操の真の陵墓であるとほぼ結論づけられています。現在は「曹操高陵遗址博物館」として整備され、2024年には国家4A級観光地に指定されました。

見所：
「魏武王」銘石牌：墓内から出土した圭形の石牌で、「魏武王常所用挌虎大戟」などと刻まれており、墓主の身份を断定する決定的な手がかりとなりました。
墓室構造：長さ39.5メートルの斜坡墓道と、前室・後室および4つの側室からなる大規模な磚室墓で、後漢末期の高級墓葬の特徴をよく留めています。
出土遺物：武器、装身具、日常用品など多岐にわたる副葬品が展示され、曹操の生涯と当時の文化を具体的に知ることができます。
遺骨：60歳前後の男性（曹操と推定）と50歳前後及び20歳前後の女性の合計3体の人骨が公開されており、歴史のロマンを感じさせます。
博物館展示：遺跡の上に建設された博物館では、出土品の実物や復元模型、多媒体展示を通じて、曹操の業績と陵墓の全貌を学べます。

入場料：
大人券は38元です。なお、身長1.4メートル以下の児童、60歳以上の高齢者、障害者、軍人、記者の方は無料で、18歳以下の未成年、全日制学生、教師は割引料金が適用されます。曹操墓(cáo cāo mù)ツァオ ツァオ ムゥCaocaomuハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:30～18:00（入場は17:30まで） ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:30～17:30（入場は17:00まで）住所：
河南省安陽市安陽県安豊郷西高穴村村南
公共交通機関：
安陽市街地からは、安陽高陵（曹操高陵遗址博物館）行きの直行バスを利用するのが便利です。安陽駅前からはX52路バスに乗車し、「安陽高陵」バス停で下車します。墓室や遺構を見学する際は、歩きやすい靴を履いていくことをお勧めします。内部の石段や通路は滑りやすい箇所がありますので、ご注意ください。 貴重な文化財を保護するため、展示品や遺構に触れることはお控えください。フラッシュを使わずに写真を撮影することは可能ですが、一部エリアでは撮影が制限されている場合がありますので、現地の表示に従ってください。 夏季は日差しが強いため、帽子や日焼け止めなどの暑さ対策を、冬季は防寒対策を十分にお取りください。 混雑時には入場に時間がかかることがありますので、余裕を持ってご来場ください。最新の開館情報や臨時休館日については、訪問前に公式サイトなどでご確認されることをお勧めします。