唐崖土司

概況：
唐崖土司城址は、湖北省恩施土家族苗族自治州咸豊県唐崖鎮にある、元から清にかけて約381年間続いた土家族の覃氏土司の政治・経済・文化の中心でした。城は玄武山を背に、唐崖河に面した自然の要害に立地し、その巧みな構造は「山城を借りて川を制す」という戦略的思考を物語っています。17世紀初頭の最盛期には「三街十八巷三十六院」と呼ばれる整然とした街路と機能区画を備え、土司制度の実態と中央政権との深い結びつきを今に伝える貴重な遺構です。2006年に全国重点文物保護单位に指定され、2015年には「土司遺跡」の一つとしてユネスコ世界文化遺産に登録されました。

見所：
「荊南雄鎮」牌坊： 明の天啓帝が土司・覃鼎の軍功を称えて賜った石造りの牌坊で、城内のシンボルです。精巧な麒麟や土王出巡などの浮き彫りが施されています。
石人石馬： 明の万歴39年（1611年）に作られた一对の石像で、覃鼎とその妻・田氏夫人の事績を記念するため建立されました。馬は雄雌一対で、その迫力ある造形は見応えがあります。
衙署区跡： 土司が政務を執った中心エリアです。かつての建物は残っていませんが、基壇や石畳の道が当時の威容をしのばせます。
土王墓： 西側の山林には、覃鼎をはじめとする歴代土司とその家族の墓が残されています。
張王廟跡： 三国志の英雄・張飛を祀った廟で、土司の武勇を尊ぶ精神の表れです。石人石馬が元々置かれていた場所でもあります。

入場料：
大人料金は70元です。身長1.2メートル以下の子供、70歳以上の高齢者、障害者、軍人は無料で入場できます。身長1.2メートルから1.4メートルの子供、60歳から70歳の高齢者、学生は優待料金（半額）が適用されます。唐崖土司(táng yá tǔ sī)タン ヤー トゥー スーTangyatusiハイシーズン：8:30～16:30（入場は16:30まで）
ローシーズン：8:30～16:30（入場は16:30まで）
※現在の情報では通年で同じ時間となっています。住所：
湖北省恩施土家族苗族自治州咸豊県唐崖鎮
公共交通機関：
恩施市から咸豊県行きの長距離バスに乗車し、咸豊県のバスターミナルで唐崖司鎮行きのバスに乗り換えます。あるいは、恩施市の清江賓館や舞陽車站から咸豊県に向かう班車（路線バス）を利用する方法もあります。遺跡内は石畳の道や階段が多いため、歩きやすい靴で訪れることをお勧めします。 見学の際は、世界遺産である貴重な文化財を傷つけないよう、石の遺構に登ったり触れたりするのは避けましょう。 広い敷地を歩くため、天候や日差しに応じて、雨具や帽子、水分の準備があると安心です。 詳しい最新情報は、現地の公式サイトや観光案内でご確認ください。