大同城遺跡

概況：
大同城遺跡（だいどうじょういせき）は、中国内モンゴル自治区アラシャン盟（あらしゃんめい）エジナ旗（えじなき）のダライホブ鎮（だらいほぶちん）から南東へ約19キロメートルに位置する唐代の歴史的遺跡です。この遺跡は「馬圈城（ばけんじょう）」とも呼ばれ、内外二重の城壁から構成される古代の軍事要塞でした。7世紀から8世紀の唐時代中期に建設され、その前身は北周時代の宇文邕（うぶんよう）によって築かれた大同城に遡ります。かつてはシルクロードの要衝として栄え、734年には「寧寇軍（ねいこうぐん）」が設置され、边境の軍務を統轄する重要な拠点となりました。現在は風化が進んでいますが、2017年から2019年にかけて敦煌研究院による保存修復作業が行われ、当時の面影を残す城壁や角楼、馬面（ばめん）などの遺構を見学できます。周辺には黒城遺跡や居延遺跡群も広がり、歴史ロマンを感じさせるエリアとして知られています。

見所：
内外の城壁：高さ5～6メートルに及ぶ二重の城壁は、当時の軍事防御システムを体感できる貴重な遺構です。外城の周長は748メートル、内城は232メートルに及びます。
考古学的発見：2018年の調査で発見された窯跡や板瓦の積層、人骨の堆積などから、当時の生活や文化を伺い知ることができます。
「馬圈城」の由来：清代にモンゴル族牧民がこの地で馬群を飼育した故事に因み、草原と砂漠が交わる独特の景観が広がります。
古河道の眺め：城址の北側を流れた弱水（じゃくすい）の古河道が遺り、砂漠の中にありながら水辺の歴史を感じさせるスポットです。
周辺遺跡との連携：同じエリアにある黒城遺跡や居延遺跡群と合わせて巡ることで、古代居延文化の全体像を学べます。

入場料：黒城遺跡景区の共通券で120元となります（大同城遺跡を含む周辺遺跡一帯が対象です）。大同城遗迹(dà tóng chéng yí jì)ダー トン チョン イー ジDatongchengyizhiハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:00～18:00（入場は17:30まで）
ローシーズン（11月1日～3月31日）：9:00～17:00（入場は16:30まで）
※現地の気候や状況により変動する場合がありますので、訪問前には公式情報をご確認ください。住所：内モンゴル自治区アラシャン盟エジナ旗ダライホブ鎮南東約19キロメートル
公共交通機関： 最寄りの街であるダライホブ鎮からタクシーや現地ツアーの車両を利用します。公共交通機関は限られており、車で約30分程度かかります。エジナ旗へのアクセスは、まず銀川や蘭州から長距離バスでダライホブ鎮に入るのが一般的です。遺跡は砂漠地帯に位置し、日差しが非常に強いです。 日焼け止め、帽子、サングラスなどの紫外線対策を十分に行い、水分をこまめに補給してください。 貴重な文化遺産を保護するため、城壁や遺構に登ったり、刻印を付けたりする行為は固く禁じられています。ゴミは必ずお持ち帰りください。 広大なエリアで日陰が少ないため、暑い時間帯を避けて朝方や夕方の訪問をお勧めします。 気温の急変にも対応できる服装をご準備ください。 現地ではガイドの同行が推奨されています。歴史的な背景を深く理解するためにも、現地ツアーの利用を検討されると良いでしょう。