クブチ（庫布斉）

概況：
クブチ砂漠（庫布斉沙漠）は、中国内モンゴル自治区オルドス市北部に広がる中国第七の砂漠で、総面積は約1.86万平方キロメートルに及びます。モンゴル語で「弓の弦」を意味する名前の通り、黄河が形成する「几」字形の湾曲に沿って伸びる独特の地形が特徴です。かつては「死の海」と呼ばれ、砂嵐や移動する砂丘が住民の生活を脅かしていましたが、大規模な植林や砂漠緑化プロジェクトにより、植被率は2002年の16.2%から53%まで向上し、「砂が人を追う」状態から「緑が砂を追い払う」状態へと歴史的転換を遂げました。現在では、響沙湾や七星湖をはじめとする観光地が整備され、砂漠体験や生態観察を楽しめる場として生まれ変わっています。

見所:
・響沙湾: 砂が摩擦で鳴る「鳴沙」現象で知られ、砂漠のサファリやラクダ乗りなどのアクティビティが人気です。
・七星湖: 砂漠の中に点在する7つの湖と緑豊かなオアシスで、生態観光や高級リゾート滞在を楽しめます。
・砂漠の緑化成果: 広大な防風林や光伏（太陽光）発電施設が広がり、環境再生のモデルケースとして学べます。
・砂漠レジャー: 越野車（オフロード車）での砂丘疾走や砂滑り、星空観測など、多彩な体験が可能です。
・民族文化体験: モンゴル族の伝統的なゲル宿泊や民族舞踊、地元の羊肉料理などを味わえます。

入場料: 景区により異なります。基本入場料は30元～120元程度で、各種アクティビティは套票（セット券）を購入するとお得です（例：280元の套票で複数体験可能）。身長1.2メートル以下の児童や70歳以上の高齢者、障害者などは無料となる場合があります。库布齐(kù bù qí)ク ブ チーKubuqiハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:00～18:00
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:00～17:00
※景区によって変動する可能性がありますので、訪問前の確認をお勧めします。住所: 内モンゴル自治区オルドス市北部（杭錦旗、達拉特旗、准格爾旗に跨る）
公共交通機関:
最寄りの空港である包頭空港から、オルドス市や砂漠周辺の町行きのバスを利用します。現地ではタクシーや観光用の車両をチャーターして各景区へ向かうのが一般的です。包頭駅やオルドス駅からも長距離バスが運行しています。砂漠は昼夜の気温差が大きく、日中の日差しも非常に強いです。防寒着や日焼け止め、帽子、サングラスなどで対策を十分に行ってください。 水分をこまめに補給し、高温時の無理な行動は避けましょう。歩きやすい靴と砂対策のサンダルやサポーターがあると便利です。 貴重な自然環境を守るため、ゴミは必ずお持ち帰りいただくか、指定の場所に捨てるようご協力ください。 単独で砂漠奥地に立ち入るのは危険です。指定されたエリア内で行動し、現地のガイドやツアーを活用することをお勧めします。 一部エリアでは携帯電話の電波が届かない場合があります。地図や連絡先を事前にダウンロードするなど、準備をしておきましょう。