遼代古城遺跡

概況：
遼代古城遺跡（りょうだいこじょういせき）は、中国内モンゴル自治区フルンボイル市満洲里市扎賚諾爾（ザライノール）鉱区の鮮卑古墓群から南へ約500メートルの地点に位置する歴史遺跡です。この遺跡は1111年（遼代天慶元年）に「巨姆古城」として建設され、遼王朝が北方の烏古部や敵烈部を制圧した後に边疆防衛の要衝として築かれた边防城でした。現存する遺構には東壁、南壁、北壁の三段の残牆があり、総延長は568メートルに及びます。特に東壁の中央には高さ1.5メートルの四方平台が残り、かつての見張り台や指揮台としての役割を物語っています。2005年には満洲里市の文物保護単位に指定され、遼代の軍事防御体系を研究する上で貴重な証拠として評価されています。

見所:
現存する城壁: 東壁（249メートル）、南壁（124メートル）、北壁（195メートル）の三段の残牆が往時の規模を伝え、特に東壁の保存状態が良好です。
四方平台: 東壁中央に残る高さ1.5メートルの基壇は、軍事施設の中枢であったことを示す貴重な遺構です。
出土文物: 蓖歯紋が刻まれた輪制細泥灰陶片など、遼代中京や上京の遺跡と共通する特徴を持つ陶器が発見されています。
歴史的立地: ダランホロム川の東岸に位置し、対岸の草原と合わせて戦略的要衝であった地形を体感できます。

入場料: 現在、公開されているエリアへの入場は無料です。ただし、今後の整備状況により変更される可能性があります。辽代古城遗迹(liáo dài gǔ chéng yí jì)リァオ ダイ グゥ チョン イー ジLiaodaiguchengハイシーズン（5月1日～10月31日）：8:00～18:00
ローシーズン（11月1日～4月30日）：9:00～17:00 ※遺跡は野外にあり、終日自由に見学できる場合もありますが、安全のため明るい時間帯の訪問をお勧めします。住所: 内モンゴル自治区フルンボイル市満洲里市扎賚諾爾鉱区（鮮卑古墓群南500メートル）
公共交通機関: 最寄りの都市である満洲里市から扎賚諾爾鉱区行きのバスを利用します。扎賚諾爾鉱区に到着後、遺跡まではタクシーや現地の車両をチャーターして移動するのが一般的です。満洲里市からは車で約30分程度かかります。遺跡は現在も発掘調査が進められている貴重な文化財です。城壁や遺構に登ったり、損傷を与えたりする行為は固く禁じられています。 草原地域は風が強く、昼夜の気温差が大きいです。防寒着や日焼け止め、帽子などで対策を十分に行ってください。 周辺には案内板やトイレなどの施設が十分に整備されていない場合があります。事前に水分や軽食を準備しておくことをお勧めします。 ゴミは必ずお持ち帰りいただき、歴史的な環境保全にご協力ください。 広大な草原の中に遺跡がありますので、道に迷わないよう、指定された経路から外れないようにご注意ください。