和林格爾漢墓壁画

概況：
和林格爾漢墓壁画は、内蒙古自治区フフホト市和林格爾県新店子鎮小板申村にある東漢後期（2世紀）の大型磚室墓で、1971年に地元農民によって発見されました。墓の全長は約20メートルあり、前室、中室、後室と3つの耳室で構成されています。壁面には46組以上、57の画面からなる色彩豊かな壁画が残り、250を超える榜題（説明文）が確認されており、中国で発見された漢代壁画の中でも最多の内容量を誇ります。壁画は墓主の「護烏桓校尉」（北方民族事務を担当した高級官員）としての生涯を描いており、車騎出行図や幕府図、楽舞百戲図などから、東漢時代の北方地域における民族交流や社会生活の様子を生き生きと伝えています。2013年には全国重点文物保護単位に指定されました。

見所：
幕府図：墓主が烏桓や鮮卑などの部族長を迎える盛大な場面を描いた壁画で、民族衣装をまとった人々の姿から当時の活発な交流がうかがえます。
楽舞百戲図：宴席で披露される雑技や舞踊を描いた部分で、倒立や頂缸などの演技が生き生きと表現されています。
車騎出行図：墓主の車馬の行列を題材にしており、その威厳や地位の高さを感じさせます。
生産活動図：農耕や牧畜、桑摘みなどの日常生活の場面が描かれ、当時の経済活動を伝えています。
寧城図：護烏桓校尉の役所が置かれた寧城の街の様子を描き、東漢時代の辺境都市の姿を復元する手がかりとなります。

入場料：
現在、墓室本体は文化保護のため一般非公開となっています。壁画を間近で見学するには、和林格爾県の盛楽博物館で公開されている複製壁画をご覧になることができます。盛楽博物館の入場料については現地でご確認ください。和林格尔汉墓壁画(hé lín gé ěr hàn mù bì huà)ホー リン ゴォ アル ハン ムゥ ビー ホアHelingeerbihuaハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:30～17:30
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:30～16:30
※墓室本体は非公開のため、盛楽博物館の開放時間を目安にしてください。詳細は現地にご確認ください。住所：
内蒙古自治区フフホト市和林格爾県新店子鎮小板申村
公共交通機関：
フフホト市から和林格爾県行きの長距離バスを利用し、新店子鎮で下車します。現地からはタクシーなどを利用して小板申村へ向かいます。壁画の複製は和林格爾県の盛楽博物館で見学可能です。墓室本体は文化財保護のため公開されていません。見学は盛楽博物館の複製壁画でお楽しみください。 壁画は極めてデリケートな文化財です。博物館ではフラッシュを使った写真撮影を控え、壁画に触れないようご協力ください。 貴重な文化遺産を守るため、展示室内での飲食や喫煙はお控えください。 広い敷内を歩きますので、歩きやすい靴を履いていくことをお勧めします。