錦屏山

概況： 錦屏山（きんぺいざん）は、中国江蘇省連雲港市海州区の西南約3キロメートルに位置する歴史と自然が調和した景勝地です。山の名は、その美しい景色がまるで錦の屏風のようであることから、清の康熙帝によって命名されたと伝えられています。この一帯は古海州文明の発祥地として知られ、山域には旧石器時代の桃花澗遺跡、新石器時代の将軍崖岩画、後漢時代の孔望山摩崖石刻など、数千年にわたる歴史の層が重なっています。特に孔望山は、かつて孔子がここに登り海を望んだという故事にちなみ名付けられ、山頂には「孔子望海」の像が建立されています。また、仏教伝来初期の作とされる摩崖石刻は、中国の仏教芸術史上においても極めて貴重な遺産となっています。

見所： 孔望山摩崖石刻には、仏教をテーマとした大小約100箇所の石刻が残り、特に「涅磐図」はその芸術的価値の高さで知られています。 将軍崖岩画は新石器時代の先住民が残した神秘的な岩刻画で、古代の信仰や生活を窺い知ることができます。 桃花澗旧石器時代遺跡からは、旧石器時代の石器などが発見され、古代人類の活動の痕跡を今に伝えています。 山頂に立つ「孔子望海」像は、孔子がこの地を訪れたという故事を今に伝えるシンボルです。 緑豊かな山並みとそこから望む景色は、まさに「錦の屏風」の名にふさわしい美しさです。

入場料： 孔望山景区の入場料は大人30元が基本です。将軍崖岩画などの特定のエリアでは、別途入場料が必要となる場合があります。学生や65歳以上の高齢者などは、身分証明書の提示により割引が適用されることがありますので、現地でご確認ください。锦屏山(jǐn píng shān)ハイシーズン（4月1日～10月31日）：7:30～17:30
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:00～17:00 （注：遺跡保護などの理由により、一部エリアの開放時間が異なる場合があります。）住所： 江蘇省連雲港市海州区錦屏路
公共交通機関： 連雲港市街からは、バス4路または19路に乗車し、「錦屏山」バス停で下車します。連雲港駅（新浦地区）からはタクシーで約20分ほどです。市内中心部からは、車で約15分ほどでアクセスできます。摩崖石刻や岩画など、貴重な文化遺産は非常に脆い場合があります。
触れたり、登ったりすることは厳禁ですので、マナーを守って見学してください。
山道を歩くことが多いため、歩きやすい運動靴を履いていくことをおすすめします。
特に雨の後は足元が滑りやすくなりますので、ご注意ください。
景区内は広く、日陰の少ない場所もあります。夏季は日焼け対策と水分補給を十分に行いましょう。 ゴミは必ず指定された場所に捨てるか、お持ち帰りいただき、美しい自然環境と歴史的景観の保全にご協力ください。
一部の遺跡エリアは、保護のため立ち入りが制限されている場合があります。現地の標識や係員の指示に従ってください。