焦山公園

概況：
焦山公園は、中国江蘇省鎮江市の東北部、長江の中心に浮かぶ風光明媚な島で、標高71メートル、周囲約2000メートルの自然豊かな公園です。「京口三山」の一つに数えられ、長江で唯一四面環水の遊覧島として「江中浮玉」とも称されます。東漢の時代に学者の焦光が皇帝の招きを辞退して隠棲したことからこの名が付きました。園内には1800年以上の歴史を持つ定慧寺をはじめ、多くの庵寺や楼閣が緑深い山中に点在し、「山裹寺」（山が寺を包む）という独特の景観を形成しています。また、摩崖石刻や碑林の宝庫としても知られ、特に「碑中の王」と讃えられる《瘞鶴銘》は、書道史上極めて貴重な価値を持つことで国内外に名を馳せています。

見所：
・定慧寺：東漢の興平年間（紀元184年頃）に創建された、1800年以上の歴史を誇る焦山最古の寺院です。清の康熙帝が命名した「定慧」の名は、仏教の修行綱領に由来します。
・焦山碑林と摩崖石刻：江南随一の規模を誇る碑林で、南北朝から民国に至るまで400余点の碑刻を収蔵しています。中でも《瘞鶴銘》は「大字の祖」と称される国宝級の石刻です。
・万仏塔：山頂に立つ高さ42メートルの明清風の塔で、頂上からは長江の雄大な景色を一望できます。
・焦山古砲台：1840年のアヘン戦争時に築かれた軍事遺構で、現在は愛国主義教育の基地として公開されています。
・三詔洞：焦光が三代にわたる皇帝の招聘を断り、隠居した故事を伝える洞窟です。

入場料：
大人は65元です（渡船料金を含む）。学生証の提示で半額、60歳以上は無料となる場合があります。焦山公园(jiāo shān gōng yuán)ハイシーズン（4月1日～10月31日）：7:30～17:30（入場は16:30まで）
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:00～17:00住所：
江蘇省鎮江市京口区東呉路83号
公共交通機関：
鎮江駅から市バス4路または104路に乗車し、「焦山公園」バス停下車。潤揚都市間バスも焦山公園停留所を経由します。公園は島のため、入園には公園の無料渡船を利用する必要があります。運行スケジュールをご確認の上、お越しください。
園内は石段や坂道が多く、古砲台や山頂の万仏塔などを見学するには歩行が伴います。歩きやすい靴での来園をお勧めします。
貴重な文化財である碑刻や摩崖石刻には、保存のため手を触れないようお願いします。
夏季は蚊が多い場合がありますので、虫除け対策があると安心です。