窯

概況：
景徳鎮の窯業は、官窯（かんよう）と民窯（みんよう）という二つの系統によって発展してきました。官窯は元代に浮梁瓷局が設置され、明の洪武2年（1369年）には御器廠（ぎょきしょう）が設立され、清の時代まで542年間にわたり皇帝専用の磁器を焼き続けました。一方、民窯は一般市場向けの磁器を生産し、その技術と創造性によって「官民競市」と呼ばれる活発な市場を形成していました。特に明清時代には「官搭民燒」という制度が発達し、官窯の厳格な品質要求と民窯の柔軟な技術革新が結合し、景徳鎮磁器の世界的な地位を確立しました。現在では、古窯民俗博覧区などの施設で、千年以上にわたる窯業の歴史と伝統技術を体感することができます。

見所：
御窯廠遺跡：明清時代の官窯の中心地であった場所で、発掘調査により龍缸窯や釉上彩炉などの窯炉群や、厳選された磁器の破片が出土しています。ここで焼かれた磁器は、ほんの一部の最高級品のみが宮廷に納められ、それ以外は破壊され埋められました。
古窯民俗博覧区：実際に使用された歴代の窯が復元・展示されているエリアです。宋代の龍窯、元代の饅頭窯、明代の葫蘆窯、清代の鎮窯（柴窯）など、時代ごとの窯の形態の変化を見学できます。世界最大の柴焼き磁器窯としてギネス世界記録にも認定された鎮窯は特に見応えがあります。
手工製磁プロセスの実演：原料の調整から、拉坯（ろくろ成形）、利坯（削り仕上げ）、絵付け、施釉、焼成に至るまで、伝統的な磁器作りの72もの工程を間近で見学できます。熟練した職人たちの技は圧巻です。
陶磁器名品の鑑賞：景徳鎮中国陶磁博物館や古窯民俗博覧区内の展示施設では、宋時代の青白磁、元時代の青花、明時代の五彩、清時代の粉彩など、各時代を代表する名品の数々を鑑賞できます。
陶芸体験コーナー：訪れる人が実際に絵付けや手びねりなどの陶芸体験を楽しめるコーナーもあり、世界に一つの自分だけの磁器を作ることもできます。

入場料：
古窯民俗博覧区の大人の入場料は95元です。その他の施設については、御窯廠遺跡はおおむね60元前後、景徳鎮中国陶磁博物館は無料（身分証の提示が必要な場合があります）となっています。学生や高齢者などは割引制度が適用される場合がありますので、現地でご確認ください。窑(yáo)ヤオYaoハイシーズン（4月1日～11月30日）：8:00～17:30
ローシーズン（12月1日～次年3月31日）：8:30～17:00 ※各施設により異なる場合があります。住所：
主な施設の住所は以下の通りです。
古窯民俗博覧区：江西省景徳鎮市昌江区楓樹山蟠龍崗
御窯廠遺跡：江西省景徳鎮市珠山区珠山中路
景徳鎮中国陶磁博物館：江西省景徳鎮市昌江区紫晶路
公共交通機関：
景徳鎮市街地から古窯民俗博覧区へは、バス1路、2路、6路、11路などを利用し、「古窯民俗博覧区」バス停で下車します。タクシーを利用する場合も便利です。景徳鎮北駅（高速鉄道の駅）からは、観光バスを利用するかタクシーで約30分です。園内や遺跡内は石畳や階段が多い場所がありますので、歩きやすい靴でお越しください。 貴重な文化遺産や復元された窯、展示品には触れないようお願いします。 施設内では静かに見学し、他の来場者の迷惑にならないようご配慮ください。 ゴミは各自でお持ち帰りいただくか、指定の場所に捨ててください。 夏季は日差しが強い日が多いため、帽子や日焼け止め対策をしてお出かけになることをお勧めします。 一部のエリアでは写真撮影が制限されている場合がありますので、表示に従ってください。