三叠泉

概況：
三叠泉（さんじょうせん）は、中国江西省九江市にある廬山の南東部、九叠谷に位置する瀑布で、その名の通り、三段に分かれて流れ落ちる様子が特徴です。総落差は155メートルあり、「匡庐瀑布，首推三叠」と古来から称えられ、「廬山第一奇观」とも呼ばれる廬山を代表する景観です。この瀑布は、大月山と五老峰の渓水が合流し、北崖の懸口から三つの盤石に次々と落下することで形成されています。その歴史は古く、宋の紹熙二年（1191年）に樵夫によって発見されるまで、長らく人知れず存在していました。例えば、かつて廬山に隠居した李白や、近くの白鹿洞書院で講学した朱熹でさえ、その存在を知らなかったという逸話が残るほどです。20世紀80年代から観光地としての開発が始まり、2001年には国家森林公園に指定されました。四季折々の表情を見せ、雨量の多い時期は勢いよく流れ落ち、少ない時期は優雅な水のカーテンとなるなど、時期によって違った魅力を楽しむことができます。

見所：
三段の瀑布の景観：最上段は「飘云拖练」のように雲がたなびくように、中段は「碎石摧冰」のように砕け散る氷のように、下段は「玉龙走潭」のように玉の龍が潭へと駆け下りるように表現され、それぞれが異なる趣を持っています。
観瀑亭からの眺望：瀑布の全景を一望できるスポットで、特に午前10時前は柔らかな光と虹がかかることもあり、写真撮影に最適です。
廬山森林小火車：三叠泉の一の滝近くまで行くことができるケーブルカーで、片道約6分の旅ながら、森林の中を進む爽快感が味わえます。
周辺の自然と文化的景観：瀑布を囲むように広がる竹林、歴代の文人たちが残した摩崖石刻など、自然と歴史が融合した景観を楽しめます。
「不到三叠泉，不算庐山客」の体験：文字通り、三叠泉を訪れて初めて本当の廬山客と言えるという、廬山観光のハイライトを体感できます。

入場料：
三叠泉エリアへの入場料は大人が63元です。学生は32元など、各種割引制度があります（詳細は現地の表示または公式情報でご確認ください）。なお、廬山核心景区の入場料（160元、7日間有効）が別途必要となる場合があります。三叠泉(sān dié quán)サン ディエ チュェンThree Stage Springハイシーズン（3月1日～10月31日）：8:00～17:00
ローシーズン（11月1日～2月28日）：8:30～17:00
※観光バスや森林小火車などの交通機関の運行時間は季節により変動する場合がありますので、ご注意ください。住所：
江西省九江市廬山市廬山風景区内（南東部の九叠谷）
公共交通機関：
九江市内からは、廬山行きの長距離バスを利用し、「三叠泉」で下車する方法があります。廬山風景区内に到着後は、観光バス（東線）を利用して「三叠泉」駅で下車します。観光バスの料金は90元（7日間有効で上下山各1回含む）です。また、景区内の移動には、三叠泉森林小火車（往復80元）を利用する方法もあります。瀑布の周辺は水しぶきで石段や通路が滑りやすくなっています。歩きやすい靴、特に滑りにくい靴底のものをお履きください。 また、瀑布に近づくと水しぶきで濡れることがありますので、防水性の高い服装やレインコート、カメラやスマートフォンの防水対策があると便利です。 景区内は階段の上り下りが多くなります。体力に自信のない方は、森林小火車を利用すると負担を軽減できます。 貴重な自然景観と文化遺産を守るため、ゴミは必ずお持ち帰りいただき、石刻や自然物を傷つける行為はお控えください。 山の天気は変わりやすいため、雨具や防寒具の準備があると安心です。 混雑時は入場制限がある場合もありますので、余裕を持った計画を立てるか、早めの訪問をお勧めします。