好太王碑

概況：
好太王碑（こうたいおうひ）は、中国吉林省集安市にある高句麗第19代王・広開土王（好太王、諱は談徳）の功績を称えて、その息子である長寿王によって西暦414年に建立された記念碑です。高さは6.39メートル、幅は1.34メートルから2メートルにおよぶ巨大な角礫凝灰岩の自然石をわずかに加工して作られた方柱形の石碑で、その重量は約37トンにもなります。四面には合計1775字の漢字碑文が刻まれており、高句麗の建国神話、好太王の軍事遠征の業績、そして王陵を守る「煙戸」と呼ばれる人々に関する制度が詳細に記録されています。碑文の書体は隷書を基調としながらも楷書の要素を含んでおり、中国書道史上においても貴重な資料とされています。2004年には「高句麗王城、王陵及び貴族の墓」の構成資産としてユネスコ世界文化遺産に登録され、歴史的価値が国際的に認められています。

見所：
巨大な石碑そのものの迫力と、1600年以上前に刻まれた1775字にも及ぶ詳細な碑文は、訪れる人々に深い感銘を与えます。
碑文からは、高句麗の建国神話や、好太王が百済や倭軍などを相手に行った数々の戦役などの歴史を読み取ることができます。
碑文の書体は、隷書から楷書へ移行する過渡期的な特徴を示しており、書道愛好家にとって見逃せないものとなっています。
石碑は保護のためガラス張りの碑亭の中に収められており、間近でじっくりと観察することが可能です。
好太王碑から西へ約200メートルほど歩くと、好太王の陵墓（好太王陵）があり、あわせて見学することで当時の歴史的な景観をより深く理解できます。

入場料：
好太王碑の見学には、高句麗文物古跡旅游景区の見学チケットが必要です。一般的には、将軍坟（長寿王陵）や丸都山城などの主要遺跡を含む共通券が販売されています。詳細な料金については、現地の案内や公式情報をご確認ください。集安好太王碑(jí ān hǎo tai wáng bēi) ハイシーズン（4月1日～10月31日）：8:00～17:00
ローシーズン（11月1日～3月31日）：8:30～16:00 （注：気象条件などにより変更となる可能性がありますので、訪問前には最新情報をご確認ください。）住所：
吉林省通化市集安市太王郷大碑街（洞溝古墓群禹山墓区東南部）
公共交通機関：
集安市街からは、市内を運行する路線バスやタクシーを利用してお越しになれます。集安駅からはタクシーで約15分ほどです。主要都市から集安へは、長春や瀋陽から高速鉄道や長距離バスを利用してアクセスできます。貴重な文化遺産を保護するため、石碑に触れたり、ガラスの保護壁を傷つけたりすることはお控えください。
碑亭内でのフラッシュを使った写真撮影や三脚の使用は制限されている場合がありますので、現地の表示に従ってください。
景区内は歩きやすい靴での見学をおすすめします。広大なエリアを歩くことになりますので、季節に応じて日焼け対策や水分補給を十分に行いましょう。
ゴミは必ず指定された場所に捨て、美しい歴史的環境を守ることにご協力ください。