祁連山脈

概況：
祁連山脈は中国の青海省東北部と甘粗省西部に跨る巨大な山脈で、古来より「天山」を意味する「祁連」の名で親しまれ、南山とも呼ばれてきました。全長は約800〜1000キロメートルに及び、西北から東南へと走る数条の平行する山脈から構成されています。平均標高は4000メートルを超え、最高峰は疏勒南山の団結峰（標高5808メートル）です。山脈には3306条の氷河が発達し、その面積は約2062平方キロメートルに及び、河西回廊のオアシス都市群を潤す命の水脈となっています。広大な山域には、雪を頂く高峰、広がる草原、深い森林、そして独特な丹霞地貌など、多様な自然景観が広がり、「高原の水がめ」とも称される重要な生態的役割を果たしています。また、この地域は古来より匈奴や吐蕃、そしてシルクロードの交易路としても栄え、豊かな歴史と文化を育んできました。

見所：
「一山に四季を見る」景観で知られる阿咪東索（牛心山）景区では、山麓の草原から山頂の万年雪まで、一つの山で四季の移ろいを体感できます。
卓爾山の赤い丹霞地貌、金黃の菜の花畑、緑の草原、遠くに連なる雪山が織りなすパノラマ風景は、写真家の創作意欲を掻き立てます。
中国で最も美しい六大草原の一つに数えられる祁連山草原では、騎馬体験や蒙古包での宿泊、星空観賞などを通じて、のどかな牧歌風景を満喫できます。
7月中旬に見頃を迎える門源の菜の花畑は、百里にわたって金色の絨毯が広がる圧巻の光景です。
祁連山の雪解け水が育む峡谷と緑の草原が織り成す扁都口峡谷の景観は、特に夏の青々とした季節がおすすめです。

入場料：祁連山脈は広大な自然地域のため、基本的に入場料は無料です。ただし、山域内の特定の観光施設や開発された景区（例: 卓爾山景区など）では別途入場料がかかる場合があります。祁连山脉(qí lián shān mài)チー リェン シャン マイQilianshanmaiハイシーズン（4月1日～10月31日）：終日開放
ローシーズン（11月1日～3月31日）：終日開放
（注：景区内の特定施設は独自の営業時間を設定している場合がありますので、現地でご確認ください。）住所：青海省海北蔵族自治州祁連県、及び甘粗省張掖市、武威市など広域に跨ります
公共交通機関：西寧市から祁連県行きの長距離バスを利用します。祁連県に到着後、各観光スポットへはタクシーやチャーター車、または現地ツアーを利用して向かうことが一般的です。主要な玄関口となる西寧曹家堡空港や西寧駅から祁連県への移動には、バス、レンタカー、または包車（チャーター車）が利用できます。祁連山の多くの地域は標高3000メートルを超えます。到着後しばらくは激しい運動を避け、水分を十分に補給して高山病の予防に努めましょう。 高原地域は昼夜の気温差が非常に大きく、天候も変わりやすいです。防寒着や雨具の準備とともに、強い日差しに対する日焼け止めやサングラスなどの紫外線対策も欠かせません。 美しくも脆弱な高原の生態系を守るため、ゴミは必ず持ち帰り、植物や地形を傷つけないようにしましょう。 一部の山道（特に扁都口峡谷など）は雨季に土砂崩れのリスクがある場合があります。運転の際は最新の路況情報を確認し、慎重に走行してください。