雲峰山

概況:
雲峰山(うんぽうざん)は、山東省煙台市莱州市の南約7.5キロメートルに位置する、標高約305メートルから326メートルの山です。文峰山や筆架山とも呼ばれ、三つの峰が並んで文房具の筆架(筆立て)に似ていることからその名が付きました。山頂付近はよく雲に覆われるため「雲峰山」の名があります。自然景観としては、「春の桃、夏の槐(エンジュ)、秋の楓」が三時の絶景とされ、峰が高く、谷が深く、木々が茂る美しい風景が楽しめます。しかし、この山の真の価値はその自然美以上に、山麓から山頂にかけて分布する40余りに及ぶ歴代の摩崖石刻(崖に刻まれた文字)にあります。特に、北魏の光州刺史であり、後世「北方書聖」と称される鄭道昭(ていどうしょう)によって西暦511年頃に刻まれた17ヶ所の題刻は、中国書法史上極めて貴重な遺産です。中でも「隷楷の極致」と讃えられる『鄭文公碑(下碑)』は、文字が隷書から楷書へと変化する過渡期の様式を鮮明に示しており、書道研究の宝庫として国内外から高い評価を受けています。1998年には全国重点文物保護単位に指定され、2011年には泰山に次ぐ中国第二の「中国書法名山」に認定されました。日本の書道愛好者にも深く愛され、毎年多くの訪日客がこの「書の聖地」を訪れています。

見所:
第一の見所は、何と言っても国宝級の文化財である北魏の摩崖石刻群です。中でも鄭道昭が父の鄭羲の功德を称えて刻んだ『鄭文公碑(下碑)』は、高さ2.8メートル、幅3.6メートル、1236字からなる巨大な碑で、その書体は謹厳で雄渾、蒼勁で飄逸としており、「魏碑の冠」と称されます。他にも『論経書詩』や『観海童詩』など、鄭道昭の他の名刻を間近で鑑賞できます。
山腹には、これらの貴重な石刻を保護するために1980年代に建設された「鄭文公碑亭」や「論経書閣」などの建築物があり、現代の書家・趙朴初や劉海粟による題字も見られます。また、山麓には現代の書家による作品を集めた「雲峰山碑林」が設けられ、古代と現代の書法が一堂に会する空間となっています。
自然景観も見逃せません。春は桃の花や新緑、初夏は真っ白な槐の花、秋は紅葉と、四季折々の風景が登山道を彩ります。山頂からは莱州の平野が一望でき、爽快な気分を味わえます。
山麓に建つ「雲峰大殿」には、雲峰山管理所や鄭道昭記念館、休憩所が設けられており、書道文化や歴史についてより深く学ぶことができます。

入場料:
大人の入場料は20元です。
学生(要学生証提示)、60歳以上の高齢者、軍人、障害者などは、優待割引制度が適用される場合があります。詳細は現地の案内をご確認ください。
中国語名:
云峰山(yún fēng shān)
雲峰山の観光時間:
ハイシーズン(夏季):8:30〜18:00
ローシーズン(冬季):8:30〜17:30
※季節や天候、施設の都合により変動する可能性がありますので、訪問前の確認をお勧めします。
雲峰山へのアクセス:
住所:
中華人民共和国 山東省 煙台市 莱州市 文峰路街道 山宋家村南
公共交通機関:
莱州市内からタクシーを利用するのが最も便利です。所要時間は約20分程度です。
公共バスを利用する場合は、莱州市のバスターミナルから「雲峰山」行きの路線バスを探すか、市内循環バスを利用し、最寄りのバス停から徒歩で向かう方法があります。ただし、本数は限られる場合があるため、事前に運行状況を確認することをお勧めします。
自家用車でお越しの場合は、青銀高速道路(G20)の「莱州」インターチェンジを降り、標識に従って市
注意事項:
山内の摩崖石刻は1500年近くの歴史を持つ、極めて貴重で脆弱な文化財です。
絶対に触れたり、拓本を取ったり、傷つけたりしないよう、厳重に注意してください。フラッシュを使用した撮影も控えましょう。
山道には岩場や階段があります。履き慣れた運動靴やトレッキングシューズでお越しください。
また、日差しや雨に備え、帽子、日焼け止め、雨具の準備があると安心です。 山頂付近は風が強く、気温が低くなる場合があります。
季節を問わず、防寒着を一枚持参することをお勧めします。 飲料水や軽食は、山内の売店が少ないため、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。ゴミは必ずお持ち帰りください。
書道文化に興味がある方は、事前に鄭道昭や魏碑書体について少し予習しておくと、現地での理解と感動がより深まります。

雲峰山の写真

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