蓬莱

概況：
蓬莱（ほうらい）は、中国山東省煙台市に位置する市轄区で、膠東半島の最北端にあり、渤海と黄海に面しています。古来より「八仙過海」伝説の発祥地として知られ、また春から夏にかけて発生する神秘的な「海市蜃楼（蜃気楼）」の名所としても有名です。漢の武帝が海上に蓬莱山を望み、この地に城を築いて「蓬莱」と名付けたという長い歴史を持ち、古代の海上シルクロードにおける重要な港でもありました。明代の民族英雄・戚継光が倭寇に対抗するために築いた「登州水城」が今も良好な状態で保存されており、歴史的価値の高さがうかがえます。山海の美しい風景と豊富な神話伝説が融合したこの地は、「人間仙境（人間の仙境）」と称される独特の魅力を持つ観光地です。

見所：
中国四大名楼の一つに数えられる「蓬莱閣」に登り、黄海と渤海の壮大な景色を一望できます。楼閣内には古代の碑刻や建築も多く残されています。
春から夏にかけて、特に5月から7月頃に、海上に楼閣や山々が浮かび上がる幻のような「海市蜃楼」の現象を見られる可能性があります。
「八仙過海」伝説にちなんで造られた「八仙過海景区」では、八仙の彫刻や楼閣を見学し、仙気あふれる世界観を体験できます。
古代の三神山（蓬莱、方丈、瀛洲）をコンセプトにした大規模な庭園「三仙山風景区」では、中国古典建築の美しさと静謐な庭園風景を楽しめます。
明代に築かれた国内で最も保存状態の良い古代水軍基地「登州水城（蓬莱水城）」を訪れ、戚継光の歴史に触れることができます。
毎年5月に開催される「蓬莱中華民族風俗芸術祭り」では、20以上の少数民族の舞踊、習慣、工芸を体験できます（開催時期要確認）。
地元の港で水揚げされた新鮮な海の幸、特に「蓬莱小麺」や「鮫の水餃子」は絶品です。

入場料：
主要観光スポットは個別に料金が設定されています。例：蓬莱閣景区は通常100元、三仙山景区は120元、八仙過海景区は80元などです。時期によっては地元住民向けなど特定の割引が適用される場合があります。蓬莱(péng lái)ハイシーズン（4月～10月頃）：7:30〜17:30
ローシーズン（11月～3月頃）：8:00〜17:00 ※各施設により異なりますので、訪問前の確認をお勧めします。住所：
山東省煙台市蓬莱区
公共交通機関：
飛行機をご利用の場合：煙台蓬莱国際空港から市内まで空港バスやタクシーで約40分です。
鉄道をご利用の場合：煙台駅または煙台南駅から蓬莱行きの長距離バスを利用します。蓬莱市には「蓬莱市駅」もありますが、主要都市からの直通列車は限られています。
市内の移動には、タクシーやレンタサイクルが便利です。主要観光地間は観光バスも運行されている場合があります。海市蜃楼は自然現象のため、確実に見られる保証はありません。確率が比較的高いのは気温差が大きくなる5月から7月の朝方です。
海辺は日差しが強く、風も強い日があります。日焼け止め、帽子、サングラス、そして風よけの上着があると快適です。
海鮮を味わう際は、新鮮なものを提供する信頼できるお店を選び、生ものの取り扱いにはご注意ください。 蓬莱閣景区をはじめ、多くの観光スポットでは石段や坂道が多いです。
歩きやすい靴での訪問が必須です。
少数民族のお祭りやイベントに参加する際は、現地の習慣やルールを尊重し、マナーを守って楽しまれてください。