五丈原
概況：
五丈原（ごじょうげん）は、中国陝西省宝鶏市岐山県の南西部、太白山北麓に位置する、三国時代の歴史的舞台として名高い台地です。その名は、地形が前広後狭で最も狭い部分が五丈（約16.5メートル）であること、あるいは原の高さが五十丈あったことに由来すると言われています。南は秦嶺山脈に倚り、北は渭水に臨むという険要な地形で、古来より「兵家必争之地（兵家の必争の地）」として知られてきました。特に蜀漢の丞相・諸葛亮（孔明）が最後の北伐を行い、魏の司馬懿と対峙した古戦場として最も有名です。建興12年（234年）、諸葛亮は十万の蜀軍を率いてここに駐屯し、司馬懿と100日余りにわたる持久戦を繰り広げましたが、志半ばで病に倒れ、この地で54年の生涯を閉じました。後世の人々はその忠義と無念を悼み、唐代には早くも祭祀が始まり、元代の至元元年（1264年）に本格的な廟が建立され、明清時代を通じて修復・拡張が重ねられて現在に至ります。現在の五丈原は、諸葛亮を祀る「諸葛亮廟（武侯祠）」を中心とする国家AAA級観光地として整備され、その静謐な境内からは、遠く渭水の流れと広大な平原を望むことができ、歴史の重みと「出師未捷身先死（志半ばで倒れる）」という無念の思いに思いを馳せるのにふさわしい場所となっています。
見所：
三国史跡の核心「諸葛亮廟（武侯祠）」：元代創建の古刹で、山門、献殿、八卦亭、正殿などが南北の中軸線上に配置されています。献殿の壁面には、岳飛の筆と伝えられる『前出師表』と『後出師表』の石刻が嵌め込まれており、その力強い筆致は一見の価値があります。正殿には羽扇綸巾の諸葛亮坐像が祀られ、その両側には関興、張苞、王平、廖化などの将軍像が並びます。
諸葛亮の魂が眠る「衣冠塚」と伝説の「落星石」：廟の裏手にある円形の塚は、諸葛亮の遺体が定軍山に葬られた後、地元民がその衣冠を葬ったと伝えられる衣冠塚です。また、「落星園」には諸葛亮の死と共に天から落ちたとされる「落星石」が安置されており、『三国志演義』の「五丈原の秋風、諸葛亮星を禳う」という物語を今に伝えています。
蜀軍の生活を偲ぶ「古道十三盤」と「諸葛泉」：高台である五丈原の上から水を汲み上げるために蜀軍が築いたとされる曲がりくねった石段の道が「古道十三盤」です。そのふもとには、諸葛亮が兵士のために掘らせたと伝わる「諸葛泉」が今も湧き出ており、往時を偲ばせます。
広大な古戦場の跡「豁落城」と「棋盤山」：五丈原の南端にある「豁落城」は、諸葛亮が中軍帳を置いたとされる場所で、現在も土塁の跡が残っています。その南の秦嶺の斜面には「棋盤山」があり、諸葛亮がここで棋を打ったという伝説が残されています。
シンボル的な古木「結義槐」と歴代の碑刻：廟の境内には、一つの幹から三本の枝が分かれた古い槐の木があり、劉備、関羽、張飛の「桃園の誓い」になぞらえて「結義槐」と名付けられています。また、境内には明清時代を中心とする多くの詩碑や修復記念碑が立ち並び、歴代の人々の諸葛亮への敬慕の念を感じさせます。
入場料：
大人の通常入場料は25元です。
学生（全日制、学生証提示）は15元、小児（身長1.2メートル以上）は13元などの割引料金が適用されます。
無料対象：身長1.2メートル（含）以下の児童、65歳以上の陕西省内在住の高齢者、70歳以上の省外在住の高齢者、記者、警官、ガイドなど（有効な身分証明書の提示が必要）。また、夏季の受験シーズンなどには、全国の中高考卒業生や中小学生に対して准考证と身分証の提示で無料開放するキャンペーンを行うことがあります。
ハイシーズン・ローシーズン共通：8:30 ～ 17:30 （最終入場は閉園時間の30分前までが目安です）。
陝西省宝鶏市岐山県五丈原鎮周五路（五丈原風景区内）。
公共交通機関：
鉄道をご利用の場合：
「岐山駅」（高速鉄道駅）で下車します。駅前広場から309路バスに乗車し、「五星路口」バス停で下車後、タクシーを利用するか、約2キロメートル歩いて景区へ向かいます。
「蔡家坡駅」（普通列車駅）で下車します。駅前から309路バスに乗車し、「五星路口」バス停で下車します。
長距離バスをご利用の場合：
西安の城西客運站または宝鶏のバスターミナルから「蔡家坡」行きのバスに乗車し、蔡家坡で下車後、309路
五丈原（ごじょうげん）は、中国陝西省宝鶏市岐山県の南西部、太白山北麓に位置する、三国時代の歴史的舞台として名高い台地です。その名は、地形が前広後狭で最も狭い部分が五丈（約16.5メートル）であること、あるいは原の高さが五十丈あったことに由来すると言われています。南は秦嶺山脈に倚り、北は渭水に臨むという険要な地形で、古来より「兵家必争之地（兵家の必争の地）」として知られてきました。特に蜀漢の丞相・諸葛亮（孔明）が最後の北伐を行い、魏の司馬懿と対峙した古戦場として最も有名です。建興12年（234年）、諸葛亮は十万の蜀軍を率いてここに駐屯し、司馬懿と100日余りにわたる持久戦を繰り広げましたが、志半ばで病に倒れ、この地で54年の生涯を閉じました。後世の人々はその忠義と無念を悼み、唐代には早くも祭祀が始まり、元代の至元元年（1264年）に本格的な廟が建立され、明清時代を通じて修復・拡張が重ねられて現在に至ります。現在の五丈原は、諸葛亮を祀る「諸葛亮廟（武侯祠）」を中心とする国家AAA級観光地として整備され、その静謐な境内からは、遠く渭水の流れと広大な平原を望むことができ、歴史の重みと「出師未捷身先死（志半ばで倒れる）」という無念の思いに思いを馳せるのにふさわしい場所となっています。
見所：
三国史跡の核心「諸葛亮廟（武侯祠）」：元代創建の古刹で、山門、献殿、八卦亭、正殿などが南北の中軸線上に配置されています。献殿の壁面には、岳飛の筆と伝えられる『前出師表』と『後出師表』の石刻が嵌め込まれており、その力強い筆致は一見の価値があります。正殿には羽扇綸巾の諸葛亮坐像が祀られ、その両側には関興、張苞、王平、廖化などの将軍像が並びます。
諸葛亮の魂が眠る「衣冠塚」と伝説の「落星石」：廟の裏手にある円形の塚は、諸葛亮の遺体が定軍山に葬られた後、地元民がその衣冠を葬ったと伝えられる衣冠塚です。また、「落星園」には諸葛亮の死と共に天から落ちたとされる「落星石」が安置されており、『三国志演義』の「五丈原の秋風、諸葛亮星を禳う」という物語を今に伝えています。
蜀軍の生活を偲ぶ「古道十三盤」と「諸葛泉」：高台である五丈原の上から水を汲み上げるために蜀軍が築いたとされる曲がりくねった石段の道が「古道十三盤」です。そのふもとには、諸葛亮が兵士のために掘らせたと伝わる「諸葛泉」が今も湧き出ており、往時を偲ばせます。
広大な古戦場の跡「豁落城」と「棋盤山」：五丈原の南端にある「豁落城」は、諸葛亮が中軍帳を置いたとされる場所で、現在も土塁の跡が残っています。その南の秦嶺の斜面には「棋盤山」があり、諸葛亮がここで棋を打ったという伝説が残されています。
シンボル的な古木「結義槐」と歴代の碑刻：廟の境内には、一つの幹から三本の枝が分かれた古い槐の木があり、劉備、関羽、張飛の「桃園の誓い」になぞらえて「結義槐」と名付けられています。また、境内には明清時代を中心とする多くの詩碑や修復記念碑が立ち並び、歴代の人々の諸葛亮への敬慕の念を感じさせます。
入場料：
大人の通常入場料は25元です。
学生（全日制、学生証提示）は15元、小児（身長1.2メートル以上）は13元などの割引料金が適用されます。
無料対象：身長1.2メートル（含）以下の児童、65歳以上の陕西省内在住の高齢者、70歳以上の省外在住の高齢者、記者、警官、ガイドなど（有効な身分証明書の提示が必要）。また、夏季の受験シーズンなどには、全国の中高考卒業生や中小学生に対して准考证と身分証の提示で無料開放するキャンペーンを行うことがあります。
中国語名：
五丈原(wǔ zhàng yuán)中国語名の読み方：
ウー ジャン ユェン英語名：
Wuzhangyuan五丈原の観光時間：
通年営業しています。ハイシーズン・ローシーズン共通：8:30 ～ 17:30 （最終入場は閉園時間の30分前までが目安です）。
五丈原へのアクセス：
住所：陝西省宝鶏市岐山県五丈原鎮周五路（五丈原風景区内）。
公共交通機関：
鉄道をご利用の場合：
「岐山駅」（高速鉄道駅）で下車します。駅前広場から309路バスに乗車し、「五星路口」バス停で下車後、タクシーを利用するか、約2キロメートル歩いて景区へ向かいます。
「蔡家坡駅」（普通列車駅）で下車します。駅前から309路バスに乗車し、「五星路口」バス停で下車します。
長距離バスをご利用の場合：
西安の城西客運站または宝鶏のバスターミナルから「蔡家坡」行きのバスに乗車し、蔡家坡で下車後、309路
注意事項：
五丈原は高台に位置しており、景区へ向かう道路には急カーブが三箇所あります。自家用車でお越しの際は、速度を控えめにし、十分注意して運転してください。
諸葛亮廟をはじめとする建築物や碑刻、古木は貴重な文化財です。壁や柱に落書きをしたり、文物に触れたりすることは絶対にやめましょう。また、境内での喫煙や火気の使用は厳禁です。
五丈原は歴史的・文化的に重要な場所です。参拝や見学の際は静粛を保ち、大声で騒いだり走り回ったりするのは避け、ゆっくりと歴史に思いを馳せましょう。
景区内は石段や坂道が多く、見学にはある程度の歩行を伴います。歩きやすい運動靴を履くことをお勧めします。また、夏季は日差しが強く、冬季は風が冷たいため、季節に応じた服装や帽子、日焼け止め、水分の準備を忘れずに。
ハイシーズン（大型連休など）は混雑が予想されます。ゆったりと鑑賞したい方は、平日の午前中など比較的空いている時間帯を選ぶと良いでしょう。また、景区の公式発表や観光案内所で、最新のイベント情報や臨時の休業がないか確認することをお勧めします。
五丈原の写真
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