色達(セルタ)

概況：
色達（セルタ）は、四川省甘孜チベット族自治州北西部に位置する県で、青海省や阿壩州との境にあります。その名はチベット語で「金色の駿馬」を意味し、古くから「金馬草原」とも呼ばれてきました。平均標高は4127メートルと非常に高く、雄大な草原、河川、湿地が広がる典型的な高原の景観を持っています。ここはチベット仏教、特にニンマ派（紅教）の聖地として世界的に知られ、信仰と文化が深く根付いた地です。また、英雄叙事詩『格薩爾王伝』発祥の地の一つとしても重要で、豊かな民族文化を今に伝えています。

見所：
世界最大規模を誇るチベット仏教学院「喇栄五明仏学院」は、谷全体を埋め尽くす無数の赤い僧坊（紅房子）が圧巻の景観を作り出しており、信仰の力を肌で感じられます。
仏学院の頂上にあり、金箔で輝く「壇城」では、多くの信者が日夜、時計回りに経筒を回して祈りを捧げる姿を見ることができます。
仏学院に隣接する「天葬台」では、チベット独特の葬送儀礼である天葬が執り行われることがあります。生死に対する厳粛な考え方に触れられる場所ですが、見学時は最大限の敬意とマナーが必要です。
色達三大寺院の一つに数えられる「東嘎寺」は、丘の上に建つ壮麗な紅教の寺院で、内部の壁画や仏像は精緻を極めています。
県名の由来ともなった「金馬草原」は、広々とした高原の牧草地で、夏には花が咲き乱れ、のんびりと草を食むヤクの群れを見ることができます。
「薬王神山」では、可愛らしいマーモット（土撥鼠）に出会える可能性があり、自然との触れ合いを楽しめます。
「格薩爾文化博物館」では、この地に息づく格薩爾王の英雄物語とチベット文化について、詳しく学ぶことができます。

入場料：
喇栄五明仏学院への入場自体は無料です。ただし、環境保護と安全管理のため、学院内への立ち入りには事前予約が必須となり、予約システムを通じて得た乗車券代（例：30元～48元程度）が必要となる場合があります。他の寺院や草原などは基本的に無料で見学できます。色达(sè dá)スァ ダーSedaハイシーズン（5月1日～10月31日）：7:00～20:00（仏学院内部へのアクセスは予約制で時間指定あり） ローシーズン（11月1日～4月30日）：8:00～18:00（仏学院内部へのアクセスは予約制で時間指定あり） ※ 天候や宗教行事により変動する可能性があります。仏学院の詳細な入場方法は、訪問前に必ず最新情報をご確認ください。住所：
四川省甘孜チベット族自治州色達県色柯鎮金馬大道東段6号（色達県人民政府）
公共交通機関：
成都から色達県城行きの長距離バスを利用する方法が一般的です。所要時間は約10～12時間です。県城に到着後、喇栄五明仏学院へは、指定の集合場所から観光バスに乗り換えて向かいます（個人での直行はできません）。より柔軟に移動したい場合は、成都から現地までのツアーに参加するか、車両をチャーターする方法もあります。色達は標高が非常に高いため、高山病に注意が必要です。到着後は激しい運動を避け、ゆっくりと行動し、十分な水分を摂取しましょう。 防寒対策（年間を通じて寒冷）と強力な日焼け止めも必須です。 ここはあくまでも僧侶や信者たちが生活し修行する宗教施設の集合体です。 静粛に行動し、許可なく僧坊や修行場に立ち入らない、撮影の際は相手の許可を得るなど、現地の習慣と信仰を最大限に尊重しましょう。 天葬は厳粛な宗教儀式です。見学が許可されている場合でも、絶対に写真や動画を撮影してはいけません。沈黙を守り、慎み深い態度で臨みましょう。 ゴミは必ず各自でお持ち帰りいただき、自然環境と文化的景観を守る一員となりましょう。 仏学院への訪問は完全予約制です。旅行計画を立てる際は、まず正規の予約プラットフォームで入場枠を確保することを最優先にしてください。