平武報恩寺

概況：
平武報恩寺は、中国四川省綿陽市平武県の龍安鎮に位置する、明代の宮殿様式を色濃く残す仏教寺院建築群です。明代の土官である王璽・王鑑父子が皇帝の勅許を得て、1440年から約20年の歳月をかけて建立したと伝えられ、その壮麗な造りから「深山の故宮」とも称されています。全建築物が貴重な楠木を用いた純木造で、36種類2000以上もの組物（斗拱）が使われ「斗拱の博物館」と評されるなど、建築的・芸術的価値が極めて高く、1996年には全国重点文物保護単位に指定されました。また、人気ゲーム『黑神話：悟空』の舞台の一つとしても知られ、より多くの方にその魅力が伝わっています。

見所：
全楠木造りの建築群：柱や梁など主要構造部に一切釘を使わず、高級な楠木のみで建てられており、虫食いや蜘蛛の巣がつかないという特長があります。
千手千眼観音像：大悲殿に安置される高さ約9メートルの観音像で、一本の巨大な金絲楠木から彫り出された貴重なものです。1004本の手が扇状に広がる姿は圧巻です。
転輪経蔵（星辰車）：華厳殿にある高さ11メートルの塔形の経蔵で、中心の軸に触れるだけで軽く回転します。国内で現存し、かつ正常に回転する唯一のものとされています。
9999匹の龍：寺内の至る所、柱や梁、瓦、壁画などに龍の彫刻や絵が施されており、「深山龍宮」の異名を持ちます。
明代の壁画：大雄宝殿や万仏閣には、合計300平方メートル以上に及ぶ色鮮やかな明代の壁画が残り、帝王や天女などが力強く描かれています。
「四不挨」の回廊：大雄宝殿に接続する特異な構造の回廊で、宋代の建築様式を今に伝える貴重な実例です。
季節の風物詩：夏から秋にかけて（7月～9月上旬）、寺内では樹齢100年を超える紫薇（さるすべり）の花が咲き誇り、古寺の赤い壁と紫の花のコントラストが美しい景観を作り出します。

入場料：
一般：40元
割引適用対象（要証明書提示）：
『黑神話：悟空』のゲーム登録番号をお持ちの方：無料
60歳以上のお年寄り、身長1.2メートル以下の児童：無料
全日制の大学生・専門学校生・中小学生（学生証提示）：半額
その他、現役軍人、退役軍人、障害者、ニュース工作者、河北省籍の観光客なども条件により無料となる場合があります。平武报恩寺(píng wǔ bào ēn sì)ハイシーズン：7:30〜17:30
ローシーズン：8:30〜17:00
（入場は閉場30分前までとなります）住所：
四川省綿陽市平武県龍安鎮北街63号
公共交通機関：
綿陽市から：
綿陽汽車站（バスターミナル）から平武県行きの長距離バスに乗車。
平武県到着後、タクシーまたは地元の路線バス（平武～豆叩方面など）を利用し、「報恩寺」で下車。
お車でお越しの場合は、綿広高速道路（G5）経由で江油市へ、その後S303号線を平武方面へ進みます。寺内は貴重な文化財です。建築物や彫刻、壁画などに触れたり、傷つけたりしないようご注意ください。
フラッシュを使用した撮影は、文化財保護のため禁止されている場合があります。撮影ルールに従いましょう。
寺院は静粛な場所です。大声での会話や走り回るなど、他の参拝者や観光客のご迷惑にならないよう、マナーを守って見学してください。
見学にはある程度の歩行が必要です。歩きやすい靴でお越しになることをお勧めします。
身分証明書や学生証、その他割引対象となる証明書は、入場券購入時に必ずご提示ください。
詳細な情報や最新の入場案内は、訪問前に公式情報をご確認されることをお勧めします。