長海

概況：
長海は、中国四川省の九寨溝景勝地内、則査窪溝の最奥部に位置する、九寨溝で最も大きく、最も標高の高い海子（高山湖）です。全長は約8キロメートルに及び、S字形に曲がりくねった形状が特徴的です。水深が深いため湖水は濃い藍色（墨藍色）を呈し、周囲を森林に囲まれ、遠くには終年雪を頂く峰々が連なります。最大の神秘は、地表には出水口が一つもないのに、雨季でも溢れず、乾季でも枯れることがないことで、地元のチベット族からは「満たされず、漏れ尽きない宝のひょうたん」と称えられています。その水源は高山の雪解け水に依存し、地下の伏流水を通じて他の海子へと水を供給しているため、「九寨溝の海子の母」とも呼ばれています。

見所：
鏡のような湖面に映る雪山と青空のコントラストは、特に早朝や風のない日に絶景となります。
湖畔に立つ「独り腕老人柏」は、長年風雪に耐え、片側だけ枝を広げた独特の樹形で、長海を守る伝説の守護神として親しまれています。
冬場は湖面が最大60センチもの厚さで結氷し、広大な銀世界が広がります。かつては天然のスケートリンクとしても楽しまれました。
長海の観景台からは、遊歩道を約20分歩いて九寨溝最小で最も色鮮やかな海子「五彩池」へと続くルートがあり、合わせて訪れるのがおすすめです。
季節ごとに表情を変える景観は、春は花咲く雪山、秋は紅葉に彩られた山々、冬は雪化粧と、一年中楽しめます。

入場料：
長海単体の入場券はなく、九寨溝景勝地の入場券に含まれています。
ハイシーズン（4月1日～11月15日）：入場料169元＋環境保護バス（観光バス）料金90元。
ローシーズン（11月16日～3月31日）：入場料80元＋環境保護バス（観光バス）料金80元。长海(cháng hǎi)
景勝地全体の開放時間に準じます。
ハイシーズン（4月1日～11月15日）：7:00〜18:00
ローシーズン（11月16日～3月31日）：8:30〜18:00
※最終入場は閉園時間の数時間前となる場合があります。また、季節や天候により変動する可能性がありますので、訪問前には公式情報で最新の時間を必ずご確認ください。住所：
四川省阿坝藏族羌族自治州九寨沟県漳扎鎮九寨沟風景区内
公共交通機関：
まず、成都の茶店子バスターミナルや新南門バスターミナルから九寨溝行きの長距離バスを利用し、九寨溝景勝地の入口まで向かいます。
景勝地内では、専用の環境保護観光バス（グリーンバス）に乗車し、「長海」バス停で下車します。長海は則査窪溝の終点にあるため、入口から直接行く場合は乗車時間に余裕を見ておきましょう。長海の標高は約3100メートルと高いため、移動時はゆっくりと行動し、高山病の症状（めまい、頭痛、息切れなど）が出た場合は無理をせずに休息をとりましょう。
高原の天候は変わりやすく、急な雨や気温の低下があります。防寒着や雨具の準備、日差しが強いため帽子やサングラス、日焼け止めは必須です。
美しい自然環境を守るため、ゴミは必ず指定の場所に捨て、動植物へのエサやりは厳禁です。
冬期は湖面が結氷しますが、安全のため指定された区域以外での立ち入りや氷上での遊戯は控えましょう。
混雑時は観光バスの待ち時間が長くなる場合があります。特にハイシーズンは早めの入園を心がけると、混雑を避けてゆっくり鑑賞できます。