鏡海

概況：
九寨溝の鏡海は、四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県にある九寨溝風景名勝区内、日則溝に位置する海子（高山湖）です。その名の通り、湖面が鏡のように平らで静かなことが特徴で、周囲の雪山、青空、白雲、森林を完璧に映し出す絶景で知られています。特に風のない早朝や夕暮れ時には、実景と倒影の区別がつかないほどの「魚在雲中游，鳥在水中飛（魚が雲の中を泳ぎ、鳥が水の中を飛ぶ）」という幻想的な光景を見ることができます。また、鏡海には「藤纏樹（ツタが樹木に絡みついた木）」と呼ばれる景観があり、愛情の象徴とされていることから「愛情公園」とも呼ばれ、多くのカップルが訪れるスポットでもあります。

見所：
鏡海の魅力は、その「静けさ」と「映り込み」にあります。時間や季節によって様々な表情を見せてくれます。
最も美しいのは、風がなく湖面が鏡のようになる早朝（6:30-8:00頃）です。この時間帯は、遠くの岷山主峰・雪宝頂がくっきりと湖面に映り、雪山の白、空の青、湖水の翠が一体となる絶景を撮影できます。
秋（10月中旬～11月初旬）は、周囲の木々が紅葉し、湖面に彩りの豊かな「彩林」が映り込みます。陽光が木々の間から差し込む午後は、湖面に揺らめく色彩が一幅の絵のようです。
夕方（17:00-18:00頃）は、夕日が空と湖面を黄金色に染め上げ、昼間とはまた違ったロマンチックな雰囲気を楽しめます。
湖の周囲には全長約1.5kmの木道（遊歩道）が整備されており、散策しながら湖水の透明度（水深5-10m先まで見えることも）や、湖底に横たわる風倒木（「水中盆景」とも呼ばれる）を間近で観察できます。

入場料：
九寨溝風景区の入場料が必要です。ハイシーズン（4月～11月）は入場料169元と観光バス料金90元の計259元、ローシーズン（12月～3月）は入場料80元と観光バス料金80元の計160元です。镜海(jìng hǎi)
ハイシーズン：7:30〜17:30（観光バス運行時間）
ローシーズン：8:00〜17:00（観光バス運行時間）
※鏡海自体は年中全天開放ですが、観光には景区の観光バスを利用する必要があり、その運行時間内となります。住所：
四川省阿坝藏族羌族自治州九寨溝県漳扎鎮九寨溝風景名勝区内
公共交通機関：
九寨溝へは、まず成都からアクセスするのが一般的です。
バス：成都の新南門バスターミナルから九寨溝行きの直行観光バスが運行しています（午前8時発車）。または、成都の西門バスターミナルからも長距離バス（昼行便と夜行寝台便）が出ています。
飛行機：九寨溝黄龍空港を利用することもできます。空港から景区までは約88kmです。
現地での移動：九寨溝景区内は自由乗降制の観光バス（環保車）が主要景点を結んでおり、鏡海にもバス停が鏡海を含む九寨溝は標高が高い場所（鏡海で約2390m）にあるため、初めての方は高山病に注意し、到着後は激しい運動を避け、ゆっくりと行動しましょう。必要に応じて酸素ボンベを準備しても良いでしょう。
鏡海の絶景である「鏡のような湖面」は風のない晴れた朝や夕方に限られます。特に写真を撮影したい方は、時間帯をよく計画しましょう。
景区内は自然保護区です。ゴミのポイ捨てや喫煙は厳禁です。生態環境を守るルールを遵守しましょう。
現地はチベット族などの地域です。村寨（集落）などを訪れる際は、地元の習慣や宗教を尊重し、撮影時には許可を得るなどの配慮を心がけましょう。
ベストシーズンは紅葉の美しい秋（10月中旬～11月初旬）ですが、四季折々の魅力があります。混雑を避けたい場合は、ハイシーズン以外の訪問も検討してみてください。