長坪溝

概況：
長坪溝は、四川省阿坝藏族羌族自治州小金県にある四姑娘山景区を構成する三つの谷の一つで、双橋溝の東面に位置しています。全長は約29キロメートル、面積は約100平方キロメートルに及び、峡谷が長くて緩やかで、原始的な静けさを保っています。ここは美しい自然景観を持つだけでなく、清代の乾隆年間に金川で行われた戦争の古戦場遺址でもあり、歴史の趣も感じられます。溝内にはチベット族の村が点在し、毎年四姑娘山を祭る鍋庄台やラマ寺（斯古拉寺）など、チベット文化の息吹に触れることもできます。

見所：
長坪溝の見どころは、主に原始林の中の歩道や馬道沿いに広がります。観光バスで到着するラマ寺から歩き始め、最初の見どころが「枯樹灘」です。これは地質災害で川の流れが変わり、水に浸かった原始林の木々が枯れて、その白く風化した樹幹が河原に立ち並ぶ独特の景観です。そこからさらに進むと、赤い藻類が岩に生息して形成される「紅石陣」や、かつて湖だった「上下干海子」を経て、最大のハイライトである「木騾子」に到着します。ここは広々とした高山草原で、清流がゆったりと流れ、牛や羊が草を食み、目の前に四姑娘山の雄大な山容が広がる絶景ポイントです。体力に自信のある方は、ここでキャンプをして満天の星空を楽しむこともできます。また、長坪溝は「長穿畢」と呼ばれる、理県の畢棚溝へと続く人気の縦走ルートの起点でもあり、本格的な登山家にとっては、婆繆峰や駱駝峰といった技術的な岩壁登攀の対象にもなっています。

入場料：
入場料は季節によって異なります。ハイシーズン（4月1日～11月30日）の大人料金は、入場券70元に観光バス代20元を加えた90元が一般的です。ローシーズン（12月1日～3月31日）は料金が変更される場合があります。学生や青少年、60歳以上の方などには割引制度があります。詳細は公式情報でご確認ください。长坪沟(cháng píng gōu)ハイシーズン（4月1日～11月30日）：8:00～17:30（入場は14:30まで）
ローシーズン（12月1日～3月31日）：8:00～17:00（入場は14:30まで）
住所：
四川省阿坝藏族羌族自治州小金県四姑娘山鎮四姑娘山景区内
公共交通機関：
成都から行かれる場合、茶店子バスターミナルから四姑娘山鎮（旧・日隆鎮）行きの長距離バスを利用します。毎日数便運行されており、片道の料金は約95元、所要時間は約4時間です。バスは達維鎮で下車し、そこからタクシーや相乗り車で四姑娘山鎮へ向かう場合もあります。鎮から長坪溝のビジターセンターまでは近いため、徒歩やローカルタクシーで移動できます。長坪溝は標高3100メートルから5484メートルに及ぶ高原地帯にありますので、到着後は激しい運動を避け、体調の変化に注意しましょう。高山反応を防ぐため、飲酒も控えた方が良いでしょう。
紫外線が非常に強いため、サングラスや帽子、日焼け止めの準備が必須です。また、昼夜や天候による気温差が大きいので、防寒着も忘れずにお持ちください。
園内は森林地帯ですので、火気の使用は厳禁です。喫煙は指定された場所でお願いします。
歩道や指定されたルートから外れないようにし、安全にご覧ください。特に冬期は路面が凍結や積雪で滑りやすくなっていますので、十分ご注意ください。
現地の少数民族の生活習慣や信仰を尊重し、友好的な交流を心がけましょう。