青蔵鉄道

概況：
青蔵鉄道は、中国青海省の西寧市からチベット自治区のラサ市までを結ぶ、全長1956キロメートルに及ぶ世界で最も標高が高く、最も長い高原鉄道です。中国の「新世紀四大プロジェクト」の一つに数えられ、チベットへの最初の鉄道として2006年7月1日に全線開通しました。この鉄道は、標高4000メートル以上の区間が960キロメートル、永久凍土区間が550キロメートルを占め、最高地点である唐古拉山峠では標高5072メートルに達します。その建設は、永久凍土、高山病、脆弱な生態系という三つの世界的大難題を克服した人類の偉業であり、「天路（天への道）」とも称されます。2023年7月1日からは西寧～ゴルムド区間に時速160キロメートルの「復興号」高速列車が運行を開始し、青蔵鉄道は高速列車の時代を迎えています。

見所：
・車窓から広がる圧倒的な高原風景：青海湖の青、ゴビ砂漠の広がり、崑崙山脈の雄大さ、可可西里（ココシリ）無人区で野生のチベットアンテロープを見るチャンス、長江源流の沱沱河、そして世界最高地点の駅・唐古拉駅を通過する体験は、一生の思い出となります。
・世界最高地点の駅「唐古拉駅」：標高5068メートルに位置するこの駅は、青蔵鉄道のシンボル的な存在です。駅舎自体は旅客の乗降には対応していませんが、列車が緩やかに通過する際、その記念碑的な看板を目にすることができます。
・最新の旅客駅「雁石坪駅」の利用：2025年12月11日から、標高4721メートルの雁石坪駅で旅客の乗降業務が開始されました。これは青蔵鉄道で最も標高の高い旅客駅となり、唐古拉山の麓にあるこの町や周辺のグラダンドン山などの観光地への新たなアクセス手段を提供しています。
・革新的なエンジニアリング技術の結晶：線路沿いには、凍土の熱安定性を保つために設置された無数の「熱棒（冷却棒）」や、野生動物の通行を確保するための動物用橋梁（野生動物通道）など、環境に配慮した独創的な工法を見ることができます。
・車内から体験する「天路」の旅：列車自体が移動する観光名所です。車内は加圧与酸装置が完備され、高山病への対策がなされています。窓外に広がる変化に富んだ景色を楽しみながら、ゆったりと世界の屋根を横断する体験は他に代えがたいものです。

入場料：
青蔵鉄道は交通機関であるため、鉄道そのものに入場料はありません。費用は乗車区間によって異なる運賃が発生します。例えば、西寧からラサまでの座席の運賃は数百元から、寝台車では千元以上となります。最新の運賃と席の空き状況は、中国鉄道の公式チケット販売サイト「12306」や主要旅行代理店でご確認ください。青藏铁路(qīng cáng tiě lù)鉄道の運行は24時間行われていますが、旅客列車の運行スケジュールは季節や列車によって異なります。一般的に、観光シーズン（ハイシーズン）である5月から10月は運行本数が多く、ローシーズンである11月から4月は若干減便されることがあります。具体的な列車の出発・到着時間は、常に最新の時刻表でご確認ください。住所：
青蔵鉄道は青海省西寧市の西寧駅を起点とし、チベット自治区ラサ市のラサ駅を終点とする長大な路線です。主要な途中駅としては、青海省のゴルムド駅、チベット自治区の那曲駅などがあります。
公共交通機関：
青蔵鉄道を利用するには、起点の西寧駅または主要都市からの乗車が一般的です。西寧市街から西寧駅へは、多数の路線バスやタクシーでアクセスできます。ラサ到着後は、ラサ駅前から市内各所へのバスやタクシーを利用できます。また、2025年12月現在、新たに雁石坪駅でも旅客の乗降が可能になりましたが、この駅で乗車青蔵鉄道は標高の高い地域を通過します。乗車前には十分な休息を取り、必要に応じて高山病対策の薬を準備することをお勧めします。
車内は与酸されていますが、無理な運動は避けましょう。 沿線の気候は変わりやすく、一日の中でも寒暖の差が激しいです。
夏でも防寒着が必要な場合がありますので、重ね着ができる服装を準備してください。 車内や駅構内は禁煙です。また、ゴミは決められた場所に捨て、美しい高原の環境を守りましょう。
特に観光シーズンはチケットが非常に早く売り切れることがあります。旅行計画は早めに立て、できるだけ事前にチケットを予約してください。
列車内や駅では、現地の文化や習慣を尊重し、マナーを守って行動しましょう。許可なく軍事施設や鉄道施設を撮影することは避けてください。