三仙洞

概況:
三仙洞(正式名称:脱庫孜吾吉拉千仏洞)は、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区と克孜勒蘇柯爾克孜自治州の境界付近、カシュガル市の北約10キロメートルにある恰克瑪克河(伯什克然木河とも)南岸の断崖絶壁の中腹に位置する、3つの仏教石窟からなる遺跡です。ウイグル語で「玉素布尓杭(玉舒布尔杭)」、即ち「三つの仏教洞窟」を意味します。開鑿年代は後漢(2世紀中頃)とされることが多く、中国最西部に現存する最古の仏教石窟の一つであり、古代シルクロードの要衝・疏勒(シュレ)地方に残された唯一の仏教遺跡として極めて貴重です。しかし、その壁画様式から6~8世紀の唐代に漢族僧侶によって開鑿された可能性も指摘されており、学術的にも興味深い場所です。残念ながら、20世紀初頭にはスタイン、ベルリオ、ル・コックなどの外国探検家によって壁画や仏像が持ち去られるなどの被害を受けましたが、現在は新疆ウイグル自治区の重点文物保護単位に指定されています。洞口は地面から約20メートル、崖頂部からは約8メートルの高さにあり、アクセスが非常に困難なため、現在も厳しい自然環境と人の手から比較的守られてきた希有な遺跡です。

見所:
三つの洞窟のうち、唯一貴重な壁画が残る窟です。前室の天井には蓮池を中心とした「藻井」が描かれ、その周囲には高さ約50センチの坐仏像が配置されています。壁面には大小約70体以上の仏画が描かれていましたが、多くは損傷しています。特に、彩色方格で描かれた袈裟をまとう坐仏や、腹部以下が緑・赤・青の横縞で描かれた珍しい立仏像は、他に例を見ない特徴的な表現として知られています。
中洞の後室には、彩色泥塑が剥落した無頭の仏像の石胎(石の芯)が残されています。この石胎泥塑の技法自体が新疆では珍しく、この地域の仏教美術の変遷を考える上で重要な手がかりとなります。
西洞は開鑿当時から未完成のままだったと見られ、壁画や造像の痕跡はありません。
清代以降、多くの訪問者が壁面に漢文や外国語で記した落書き(題記)が残されており、中には近代になってから書かれた「汽車連」といった残念な落書きも見られます。これらは遺跡の発見史と保護の難しさを物語る、もう一つの「歴史」となっています。
断崖の中腹にぽっかりと空いた三つの方形の洞口は、遠目にもはっきりと確認できます。その険しい立地が、なぜこの場所が選ばれたのか、往時の僧侶や信徒の信仰の強さに思いを馳せさせます。

入場料:情報により異なります。20元とする情報がありますが、実際には管理事務所が常駐しておらず、事実上無料で眺められる状態であるとの旅行者レポートもあります。
中国語名:
三仙洞(sān xiān dòng)
三仙洞の観光時間:
ハイシーズン:情報により異なります。全天開放とする情報と、具体的な時間が定められていない情報があります。
ローシーズン:同上。
※この遺跡は崖の中腹にあり、通常は専用の梯子や道具がなければ内部に立ち入ることはできません。遠方から外観を眺める分には制限はありませんが、詳細な見学を希望される場合は、カシュガル市の文化財保護部門や旅行会社に事前に相談されることを強くお勧めします。
三仙洞へのアクセス:
住所:
新疆ウイグル自治区克孜勒蘇柯爾克孜自治州阿図什市上阿図什鎮塔庫提村付近の恰克瑪克河岸の断崖。(注:カシュガル市から近いですが、行政上は克孜勒蘇柯爾克孜自治州に属します。)
公共交通機関:
カシュガル市街から公共交通機関で直接アクセスするのは非常に困難です。かつては6路バスを利用する方法があったとの情報もありますが、現在の運行状況は不明です。最も現実的な方法は、カシュガル市からタクシーを一日チャーターするか、現地の旅行会社が主催するツアーに参加することです。なお、主要な地図アプリ(百度地図、高
注意事項:
この遺跡は貴重な文化財保護単位です。仮に特別な許可を得て近づけたとしても、壁画や壁面に絶対に触れたり、落書きをしたりしないでください。過去の「汽車連」のような落書きは、二度と繰り返されてはなりません。
遺跡は川岸の険しい崖の中腹にあります。足場が悪く、崩落の危険もあるため、無理に登ろうとせず、遠くから安全な場所で眺めるにとどめてください。単独での探索は危険です。
先述の通り、地図アプリの位置情報は不正確な場合があります。現地の詳しいドライバーを手配するか、事前に地元の観光案内所で正確な行き方を確認してください。
この遺跡はカシュガル市から近接していますが、行政区域は克孜勒蘇柯爾克孜自治州(克州)に属します。案内標識などは克州のものとなっています。
日差しが強く、風の強い環境です。帽子、サングラス、日焼け止め、そして十分な飲料水を必ず持参してください。また、周辺に売店などの施設はまったくありません。
遺跡の保存状態は決して良好とは言えず、またその歴史的価値についても複数の説があります。それを理解した上で、シルクロードの歴史の深さと、文化財保護の難しさを感じ取る場として訪れる心構えが大切です。
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