魏故城

概況：
魏故城（漢魏洛陽故城）は、河南省洛陽市の東約15キロに位置する中国最大級の古代都城遺跡です。西周に始まり、東漢・曹魏・西晋・北魏の4王朝にわたり都として栄え、都であった期間は合計約330年に及びます。この遺跡は北に邙山、南に洛水を控えた風光明媚な地に広がり、その規模は最盛期の北魏時代には面積約100平方キロメートルに達し、世界史上でも最大規模の都城の一つでした。特に宮城正門の閶闔門や中国都城で最初の本格的な中軸線である銅駝大街など、後世の都城建設に大きな影響を与えた「建中立極」の宮城形制が特徴で、1961年には第一陣の全国重点文物保護単位に指定され、その文化的価値の高さが認められています。2025年7月には遺跡の歴史と出土文物を紹介する「漢魏洛陽故城遺跡博物館」が新たにオープンしました。

見所：
宮城区域には、曹魏時代に創建され北魏まで使用された中枢施設「太極殿」の遺構が残り、古代宮殿の壮大さを偲ばせます。
「銅駝大街」は、魏の明帝が設置した中国最古の中軸線大街で、当時は街の中心として大変な賑わいを見せていました。
北魏の皇家寺院「永寧寺」の塔基跡からは、「東方のモナリザ」と称される美しい泥塑仏面像などが出土し、現在はその基壇を見学できます。
内城の西北角に築かれた「金墉城」は、離宮や軍事要塞として、また時に失脚した皇族の幽閉場所としても使用され、数々の歴史の舞台となりました。
城南には、東漢の天文観測施設「霊台」や最高学府「太学」の遺跡もあり、古代の科学と教育の水準の高さをうかがい知ることができます。

入場料：
遺跡公園への入場料金は情報が更新中です。新しくオープンした「漢魏洛陽故城遺跡博物館」は無料で入館できますが、公式ウェチャットアカウントなどでの事前予約が必要です。魏故称(wèi gù chēng)ウェイ グゥ チョンWeiguchengハイシーズン（4月1日～10月31日）：9:00～17:30（入場は16:30まで）
ローシーズン（11月1日～3月31日）：9:00～17:00（入場は16:30まで）
※博物館は毎週月曜日休館（祝日を除く）。住所：
河南省洛陽市瀍河区白馬寺鎮漢魏洛陽故城遺跡博物館（遺跡エリア一帯）
公共交通機関：
洛陽市内から「東花壇」バスターミナル発の87路バスに乗車し、「漢魏洛陽城」バス停で下車します。バスの運行時間は6:00から19:00までで、おおよそ20分間隔で運行しています。白馬寺観光後、東へ徒歩で向かうことも可能です。 博物館見学には事前のオンライン予約が必須となりますので、訪問前にスマートフォンで予約を済ませておきましょう。 遺跡エリアは大変広大で、見学には多くの歩行を伴います。歩きやすい靴を履き、季節に応じて日焼け止めや帽子、水分補給などの準備をしてお出かけください。 貴重な文化遺産を守るため、遺構や展示物に触れたり、指定された場所以外で立ち入ったりすることはお控えください。 博物館内では、フラッシュや三脚を使用した写真撮影は禁止されている場合があります。表示板の指示に従い、静かに参観しましょう。