大召

概況：
大召寺（だいしょうじ）は、中国内モンゴル自治区フフホト（呼和浩特）市玉泉区大召前街に位置する蔵伝仏教（チベット仏教）ゲルク派（黄教）の寺院です。明代の1580年にモンゴル土默特部の首領アルタン・ハン（阿勒坦汗）によって建立され、漢名を「無量寺」、モンゴル語で「伊克召」（大廟の意）と呼ばれます。寺内に高さ2.55メートル、純銀3万両（約1.5トン）で造られた釈迦牟尼像を供奉することから、「銀佛寺」とも称されます。この銀佛の開光法会は、チベットのダライ・ラマ三世ソナム・ギャツォによって執り行われたと伝えられています。清朝の康熙帝がここに数日間宿泊したことを契機に「皇廟」とされ、皇帝への敬意から活仏（フルブ）の転生制度が廃止されたという特徴的な歴史を持ちます。銀佛、龍雕、壁画は「大召三絶」と称され、その文化的・芸術的価値の高さから2006年に全国重点文物保護単位に指定されました。

見所:
銀佛を中心とする「大召三絶」：3万両の純銀で造られた釈迦牟尼像（銀佛）、銀佛前の通天柱に刻まれた金色の蟠龍（龍雕）、仏教説話を描いた色彩豊かな壁画は必見です。
山門の「九辺第一泉」扁額：康熙帝の御馬が泉を湧き出させたという伝説に因む匾額で、大召寺のシンボルの一つです。
明清の貴重な文物：明の宣德炉、清の康熙帝ゆかりの「皇帝万歳」金牌や宮廷の灯籠、多数の唐卡（仏画）など、歴史的価値の高いコレクションが数多く残されています。
大召寺の仏事活動：旧暦正月十五日や六月十五日などに行われる「晾大佛」（大仏開帳）や「跳恰木」（チャム舞踊）などの宗教行事は、独特の宗教文化を体感できる機会です。

入場料: 35元（学生は半額、身長1.2メートル以下の児童、70歳以上の高齢者、軍人、障害者などは無料となる場合があります）。大召(dà zhào)ダー ジャオDazhao Lamaseryハイシーズン（4月30日～10月8日）：8:00～18:30（入場は18:00まで）
ローシーズン（10月9日～4月29日）：8:30～17:30（入場は17:00まで）
住所: 内モンゴル自治区フフホト市玉泉区大召前街
公共交通機関:
フフホト市街地からは、2路、3路、6路、58路、59路、K3路などの路線バスに乗り、「大召站」で下車します。バス停からは徒歩ですぐに到着します。フフホト駅からはタクシーで約20分程度です。寺院内は宗教施設であり、静粛に見学してください。仏像や壁画、文化財にはむやみに触れないようお願いします。 仏殿内でのフラッシュを使用した写真撮影は、文化財保護のため制限されている場合があります。 宗教儀式が行われている際は、敬意を持って見学し、進行の妨げにならないようにしましょう。 広い境内を歩くことが多いため、歩きやすい靴での来場をお勧めします。 内モンゴルは昼夜の気温差が大きいので、温度調節のしやすい服装を心がけてください。 貴重な文化遺産を守るため、ゴミは必ず指定された場所に捨てるか、お持ち帰りください。