網師園

概況：
網師園（もうしえん）は、中国江蘇省蘇州市姑蘇区帯城橋路闊家頭巷11号に位置する、世界文化遺産に登録された蘇州古典園林の一つです。南宋時代の淳熙年間（1174年～1189年）に、蔵書家の史正志によって「万巻堂」として創建され、その庭園は「漁隠」と名付けられました。清代の乾隆年間（1770年頃）に宋宗元が再建し、「網師園」と改名されました。「網師」とは漁師を意味し、隠居生活への憧れを表しています。面積は約0.5ヘクタールと蘇州の園林の中では小規模ですが、水を中心に配置された亭台楼閣や回廊、築山が「小中見大」の造園技法を完璧に体現しており、江南地方の中規模な古典山水宅園の代表格として高く評価されています。1963年に蘇州市文物保護単位、1982年に全国重点文物保護単位に指定され、1997年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。

見所：
引静橋：蘇州園林で最も小さな石拱橋で、長さはわずか2.4メートルしかありません。「三步で渡れる橋」として親しまれ、その愛らしい姿が魅力です。
殿春簃：園内の北西隅に位置する明代風の庭園で、「網師園の精髄」と呼ばれます。1980年にはこれを模した「明軒」がアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館に建設され、中国古典園林が初めて海外に輸出された例となりました。
月到風来亭：園の中心にある彩霞池に突き出た六角形の亭で、園内の最高地点にあります。特に満月の夜に水面に映る月を眺める風情は格別です。
彩霞池：園の中心を占める池で、周囲には濯纓水閣や竹外一枝軒などの建築が配置されています。池と建築の調和が、網師園の最も優れた景観を創り出しています。
磚雕門楼：住宅部分にある門楼で、その精巧なレンガ彫刻から「江南第一門楼」と称えられています。

入場料：
ハイシーズン（4月、5月、7月～10月）：大人 40元
ローシーズン（1月～3月、6月、11月、12月）：大人 30元
※夜花园（夜間開放）は別途100元となります。70歳以上の高齢者、身長140cm以下の子ども、現役軍人などは無料となる場合があります。网师园(wǎng shī yuán)ワン シー ユェンThe Garden Of The Master Of Netsハイシーズン（4月16日～10月30日）：7:30～17:30（入場は17:00まで）
ローシーズン（10月31日～次年4月15日）：7:30～17:00（入場は16:30まで）
※夜花园は3月中旬から11月中旬まで19:30～22:00に開放されます。住所：
江蘇省蘇州市姑蘇区帯城橋路闊家頭巷11号

公共交通機関：
地下鉄：4号線「三元坊」駅の4番出口から徒歩約10分です。
バス：「網師園」バス停で下車する路線（55路、202路、529路、931路など）、または「網師園北」バス停で下車する路線（47路、204路、501路、511路など）を利用します。園内は石畳や階段が多いため、歩きやすい靴でのご来園をお勧めします。 特に雨の日は足元にご注意ください。世界文化遺産であり、貴重な文化財です。 建築物や展示物に触れたり、落書きをしたりすることは固く禁じられています。 静かで落ち着いた雰囲気をお楽しみいただくため、大声での会話はお控えください。 混雑時には入場制限がかかる場合があります。 スムーズに入場するには、事前にオンラインチケットを購入されることをお勧めします。