泰山

概況：
泰山（たいざん）は、中国山東省泰安市に位置する「五岳独尊」、すなわち五岳の筆頭に立つ霊峰です。主峰の玉皇頂は標高1545メートルで、その雄大な山容は平野から突如として聳え立つため、古来より「天下第一山」と称えられてきました。自然の壮麗さのみならず、約3000年にわたり歴代帝王が天に国家の安泰を報告する「封禅」の儀式を行った聖地であり、儒教・仏教・道教の文化が融合する独特の文化的景観を有しています。山全体が「青空の歴史博物館」とも呼ばれ、無数の石刻、廟宇、古木が歴史の重層を物語ります。1987年には、その比類なき文化的・自然的価値が認められ、ユネスコの世界文化・自然複合遺産に登録されました。

見所：
「五岳独尊」石刻をはじめ、山道に刻まれた1696点にも及ぶ歴代の石刻群は、書道芸術の宝庫です。
中天门から南天门に至る急峻な「十八盤」は、登山道の最大の見せ場であり、体力と意志の試練となります。
山頂の南天门を抜けた先に広がる「天街」は、雲の上に続く道のような独特の景観を楽しめます。
日観峰からの「泰山日出」は、雲海とともに四大奇観の一つに数えられる絶景です。
泰山の麓に鎮座する岱廟は、北京の紫禁城、曲阜の孔廟と並ぶ「中国三大古建築群」の一つです。

入場料：
大人：115元
6歳～18歳の未成年、全日制の大学生以下：57元
教師、省部級以上の模範称号保有者：100元
※6歳以下または身長1.4m以下の児童、60歳以上の方、現役軍人、障害者などは証明書提示で無料となる場合があります。詳細は公式情報をご確認ください。泰山景区(tai shān jǐng qū)※泰山への入口は複数あり、時間が異なります。
紅門入口（徒歩登山メイン）：5:00～24:00
天外村入口（バス利用）：6:00～21:00
桃花峪入口：8:00～17:00（徒歩は～16:00）
東御道入口：8:00～16:00住所：
山東省泰安市岱岳区紅門路
公共交通機関：
泰安駅（泰山駅）から：3番バスに乗車し、「紅門」または「天外村」で下車します。
泰安高速鉄道駅（泰安站）から：37番バスまたは61番観光直通バスに乗車し、「紅門」で下車します。
市内からタクシーを利用する場合も便利です。入場にはオンラインでの実名制予約が必要です。予約後は、指定された時間帯に、予約した入口で身分証または動的QRコードを提示して入場します。
登山道は石段が多く、特に十八盤は非常に急です。歩きやすい靴を履き、必要に応じて登山杖を用意することをお勧めします。
山頂は麓と比べて気温が大幅に低く、風も強いです。季節を問わず、防寒・防風対策は必須です。軽量ダウンジャケットや防寒帽などの準備をお忘れなく。
山頂までの物資はすべて「挑山工（荷物担ぎ）」の方々が担いで運んでいます。道中でお会いした際は、敬意を払い、道を譲ってあげましょう。
「登高必自」という石刻の教えのように、高い目標も一歩一歩から。自分のペースで無理のない登山を心がけ、こまめに水分補給をしてください。