永楽宮

概況:
永楽宮は、山西省運城市芮城県城北の龍泉村東側に位置する、元代に建立された中国最大級の道教宮観です。もともとは呂洞賓の故宅跡に建てられた祠が起源で、13世紀中頃から約110年をかけて現在の壮大な宮殿群が完成しました。その最大の見どころは、総面積約1005.68平方メートルに及ぶ、中国を代表する元代の壁画群です。特に三清殿の壁画は、その規模と芸術性から「東方の芸術画廊」と称賛されています。また、1959年から1964年にかけて、黄河の治水事業である三門峡ダム建設に伴い、建築物と壁画全体が現在の場所へと移築されたことは、世界の文化財保護史上でも奇跡的な偉業として知られています。

見所:
三清殿の「朝元図」:高さ約4.26メートル、全長約94.68メートルにわたる巨大壁画で、元始天尊を中心に約290体もの道教神々が朝拝する壮大な場面が描かれています。その精緻な線描と鮮やかな色彩は、元代絵画の最高峰と評されます。
純陽殿の「純陽帝君神遊顕化図」:呂洞賓の生涯を52の連続した場面で描いた、物語性豊かな壁画です。当時の市井の生活風景が生き生きと描かれており、歴史資料としても貴重です。
重陽殿の壁画:全真教の祖である王重陽とその弟子たちの伝説を49の画面で表した壁画です。
建築様式:龍虎殿、三清殿、純陽殿、重陽殿が南北500メートルの軸線上に並ぶ、典型的な元代の建築様式を見ることができます。
壁画の保存と修復技術:60年前に行われた、壁画を傷つけずに建物ごと移築した驚異的な技術と、現在進められているAIなどを用いたデジタル修復プロジェクトにも注目です。

入場料:
大人:ハイシーズン 60元、ローシーズン 50元
割引(児童/学生など):30元(ハイシーズン)
※6歳以下、身長1.2m以下、60歳以上、障害者、現役軍人、消防士などは、有効な証明書の提示により無料となる場合があります。
中国語名:
永乐宫(yǒng lè gōng)
永楽宮の観光時間:
ハイシーズン(4月1日~10月31日):8:00〜18:00(入場は17:30まで)
ローシーズン(11月1日~3月31日):9:00〜17:00(入場は16:30まで)
※毎週月曜日は休館日となります(祝日を除く)。
永楽宮へのアクセス:
住所:
山西省運城市芮城県永楽北路230号
公共交通機関:
運城市の中心部からは、長距離バスで芮城県まで行き、県内でタクシーを利用するのが一般的です。あるいは、運城から観光タクシーやレンタカーを利用する方法もあります。
注意事項:
殿内の壁画は、光や湿気による劣化を防ぐため、非常に暗い環境で保存されています。目が暗さに慣れるまで少し時間がかかりますので、ご注意ください。
壁画は700年以上前の貴重な文化財です。保存のため、殿内での写真撮影(フラッシュの有無を問わず)は厳禁となっています。お手元のスマートフォンやカメラの画面も点灯させないよう、ご協力をお願いします。
宮内は広く、見学には2時間以上を見込むと良いでしょう。歩きやすい靴でお越しください。
混雑時には、特に三清殿内が込み合います。ゆっくり鑑賞したい方は、開館直後などの比較的空いている時間帯の来訪をお勧めします。

永楽宮の写真

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