明月峡

概況：
明月峡（めいげつきょう）は、四川省広元市朝天区に位置する、嘉陵江が山脈を切り開いて形成された全長約4キロメートルの峡谷です。国家AAAA級観光地に指定されており、剣門蜀道という国家重点風景名勝区の重要な一部を構成しています。その最大の特徴は、一つの峡谷に「先秦の古桟道、嘉陵江水道、綱引き道、金牛駅道、108号国道、宝成鉄道」という古今六つの交通路が集約されていることで、「中国交通史の博物館」あるいは「生きた交通の化石」と称されています。2300年以上の歴史を持つこの地は、かつて「蜀道の難しさ」を李白が詠んだ険しい場所そのものであり、三国時代には諸葛亮が北伐のため桟道を整備したという歴史も持ちます。峡谷の岩肌が銀白色を帯び、青い峰と澄んだ江水に月明かりが映える様子から「明月峡」と名付けられたと言われています。

見所：
古今六道が一堂に会する稀有な景観：崖に穿たれた古代の桟道の遺構、眼下を流れる嘉陵江の船道、崖沿いの細い綱引き道、石畳の金牛駅道、そして現代の国道と鉄道が一つの峡谷に並存する光景は、交通史の変遷を目の当たりにします。
「蜀道難」を体感できる先秦古桟道：現存する中で最も古く、構造が科学的で、保存状態も良いとされる古代桟道です。復元された約2キロメートルの遊歩道を歩くことで、古人がどのようにしてこの天険を克服したかを実感できます。
峡谷の雄大な自然景観：幅約100メートル、深さ約2キロメートルの切り立った峡谷と、その間を流れる翡翠色の嘉陵江のコントラストは圧巻です。天柱峰や仙人橋などの奇岩怪石も見所です。
豊かな歴史文化的遺産：劉邦や蕭何、諸葛亮、李白、陸游など、多くの歴史人物にゆかりがあり、崖壁には歴代の石刻も残されています。景区内には蜀道文化の展示館もあり、理解が深まります。

入場料：
大人：70元（情報源により80元との記載もあります）。
学生（全日制）、60～64歳の高齢者などは半額の対象となる場合があります。
1.2メートル以下の児童、65歳以上の高齢者、軍人、障害者などは無料となる場合があります。
※実際の料金や割引条件は現地の公示に準じます。明月峡(míng yuè xiá)ミン ユエ シァMingyuexiaハイシーズン（夏季、5月～10月など）：8:00 ～ 18:00 （最終入場は17:30頃）。
ローシーズン（冬季、11月～翌年4月など）：8:30 ～ 17:30 （最終入場は17:00頃）。
※季節や運営状況により変動する可能性があります。住所：
四川省広元市朝天区明月峡景区（108号国道付近）。
公共交通機関：
鉄道を利用する場合：広元駅から朝天行きの列車（朝1本、約40分）に乗車し、朝天駅で下車します。駅から景区までは約0.8キロメートルで、タクシーまたは徒歩で向かえます。
長距離バスを利用する場合：広元市の北門バスターミナルから朝天行きのバス（随時運行）に乗り、朝天バスターミナルで下車します。そこから景区までは約2キロメートルで、3番バスを利用するか、タクシーで向かいます。
自家用車の場合：京昆高速道路（G5）の「明月峡」イ復元された古桟道は木製で、水辺に近いため滑りやすくなっている場合があります。歩きやすい、滑りにくい靴を履いていくことをお勧めします。 峡谷内は日陰が少なく、日差しが強いです。帽子、サングラス、日焼け止めなど、日よけ対策を十分に行いましょう。 エリアによっては野生のサルが生息していることがあります。食べ物をむき出しにしたり、挑発したりしないよう注意してください。 古代の遺構や石刻は貴重な文化財です。傷つけたり、落書きをしたりすることは絶対にやめましょう。 峡谷内は風が強い場所があります。特に展望台などでは、帽子や軽いものが飛ばされないようご注意ください。また、天候が急変することもあるので、雨具の準備があると安心です。