沈園

沈園は沈(しん)という人の邸宅にある庭園、紹興の町の近郊禹跡(うせき)寺のそばで、陸游75歳(1199年)は故郷紹興で作った庭園です。
陸游は20歳のころ母方の姪にあたる唐婉(とうえんは王偏に宛)と結婚し夫婦仲は円満だったが、嫁と姑の間がうまくゆかず、間もなく彼女は離婚され、趙士程という男と再婚した。
陸游も二番目の妻を娶ったが、31歳の春、たまたま沈氏の園に遊んだ陸游は同じくここに遊びに来ていた趙夫婦を見かけた。唐婉の方も気づいて夫に告げ、人をやって陸游に届けさせた。陸游は邸の壁に一篇の詩余「釵頭鳳」を書きつけて立ち去った。
唐婉はその後まもなく他界するが、陸游は晩年に至るまで彼女のことが忘れきれず、この「沈園」二首のほか彼女の思い出にまつわる詩を幾偏も残している。
「驚鴻」は、ものに驚いて舞い立つ雁。魏の曹植の「洛神の賦」に見えることばで、美人の姿にたとえる。ここでは自分のもとを去って行った妻の姿にたとえていう。

  城壁は夕日をあび画角(つのぶえ)の音がかなしげにひびきわたる。
  この沈園の池や楼台ももはや昔のかたちをとどめていない。
  橋の下には春の水が緑の波をたたえているが私の心はいたむ。
  そここそかつて舞い立つ雁のような姿のあのひとが影をうつしたところ。

  夢はたちきられ香気のきえうせたまま四十年。
  ここ沈園では柳も老いはてて綿の花を吹きだそうともしない。
  私はやがて会稽の山の土となりはてる身だが、
  今なお思い出のあとを訪れるとふと涙があふれ落ちるのだ。
中国語名:
沈园(shěn yuán)
中国語名の読み方:
シェン ユェン
英語名:
Shenyuan

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