アパク・ホージャ墓(香妃墓)
カシュガルを統治した歴代の権力者が眠る墓地
概況:
アパク・ホージャ墓(香妃墓)は、新疆ウイグル自治区カシュガル(喀什)市の東北郊外、浩罕郷(ホージャンきょう)にある壮麗なイスラム建築の陵墓です。正式名称は「阿帕克霍加墓」で、1640年頃に建設が始まり、アパク・ホージャ(阿帕克霍加)を含むホージャ(和卓)一族、5代72人の墓所として使用されてきました。その美しい緑色の琉璃磚(琉璃瓦)に覆われたドームとミナレットが特徴的な外観から、「新疆のタージ・マハル」とも称されます。清朝の乾隆帝の妃である容妃(香妃)の遺体がここに葬られているという伝説から「香妃墓」の名で広く親しまれていますが、歴史的には香妃(容妃)は北京の清東陵に埋葬されており、ここにあるのは彼女の衣冠冢であるとされています。1957年に自治区の重点文物保護単位に、1988年には全国重点文物保護単位に指定され、2014年からは周辺が「香妃園」として整備され、2019年に国家4A級観光地に認定されました。建築様式は中央アジアとイスラムの要素が融合しており、シルクロードの歴史と多民族文化の融合を今に伝える貴重な史跡です。
見所:
緑色の琉璃磚で覆われた巨大なドームが印象的な主墓室です。直径17メートルのドームは梁や柱を使わない構造で、内部には58基の墓が並び、その一角に香妃の衣冠冢があります。
主墓室の四隅に立つ半円筒形の塔(邦克楼)と、頂上の新月の装飾は、イスラム建築の荘厳さを象徴しています。
陵園内には、門楼、大小の礼拝寺(大清真寺、小清真寺)、教経堂など、様々な機能を持つ建物が配置されており、17世紀のイスラム建築群の全体像を観察できます。
「香妃園」として整備されたエリアでは、伝統的なウイグル族の婚礼儀式の再現や、「歓楽香妃」と題された民族歌舞劇などの文化体験プログラムが楽しめます。
主墓室の外壁を飾る深緑、黄、青の琉璃磚は、300年以上前のものでありながら今も色鮮やかで、当時の高い工芸技術を窺い知ることができます。
入場料:大人120元。学生、60歳以上の方は優待券(60元)を提示することで割引が適用される場合があります。
営業時間
年間を通じて 10:30 ~ 19:30 (最終入場は閉園時間の30分前頃が目安です)。
アクセス
住所:新疆ウイグル自治区カシュガル地区カシュガル市浩罕郷香妃路(香妃園景区)。
公共交通機関:
カシュガル市内から20番路線バスに乗車し、「香妃園」バス停で下車します。
市内中心部からタクシーを利用する場合、約20分、15元前後が相場です。
旅のヒント
主墓室の内部は、宗教上の理由および文化財保護の観点から、写真撮影が禁止されている場合があります。必ず現地の表示や係員の指示に従ってください。
イスラム教の礼拝堂や墓所であることを尊重し、静粛に見学しましょう。肌の露出が多い服装は避けることが望ましいです。
新疆は日照りが強く乾燥しています。帽子、サングラス、日焼け止めは必須です。また、夏季は高温になるため、十分な水分補給を心がけてください。
園内は広く、見学には2~3時間は見積もっておくと良いでしょう。文化ショーなどのプログラムは特定の時間帯に行われるため、事前にスケジュールを確認することをお勧めします。
伝説上の人物である「香妃」の物語と、史実としての「容妃」の歴史は区別して理解すると、より深く楽しむことができます。
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