抱犢寨
韓信が背水の陣を巡る作戦を練った萆山の山頂で、楚漢の戦火の面影を眺めることができます。
石家荘市鹿泉区にある抱犢寨は、「天下奇寨」と呼ばれる山で、断崖に囲まれた平らな山頂が最大の特徴です。古名は萆山といい、漢代の名将・韓信が趙国を討った「背水の陣」の主戦場の一つとして歴史に刻まれています。北魏の時代、戦乱を避ける民衆が子牛を抱えて山頂へ逃れたことが、抱犢という名の由来となります。
楚漢戦争の時代、韓信は劉邦の命を受け、わずか数万の兵を率いて強大な趙国へ進軍しました。趙軍の将・陳余は二十万の大軍を擁し、井陘口に布陣して韓信を迎え撃ちます。陳余は正々堂々と戦うことを固持し、奇策を軽んじて敵軍を迎え撃つ構えでした。韓信は敵の性格を見抜き、夜に分隊を派遣して趙軍の陣営背後へ潜り込ませます。本隊は川辺に背を向けて陣を張らせ、退路を絶った「背水の陣」を敷きました。
朝の合戦で韓信軍は一時的に敗走するふりをし、趙軍が陣営から一斉に追撃した隙に、背後の部隊が趙軍の空いた本陣を占拠し、漢の旗を立てました。趙兵が戻って自陣に漢旗が林立するのを見て軍心が崩れ、大混乱に陥ります。韓信は前後から挟撃して趙軍を壊滅させ、陳余を討ち、趙王を捕虜としました。この萆山、つまり抱犢寨は、当時韓信が偵察や作戦指揮を行った拠点と伝えられています。
山頂には城壁、祠、道観、洞窟などが残り、自然景観と軍事的な古寨の雰囲気が一体になっています。山腹には長い階段の登山道が整備され、ロープウェイも利用可能で、体力に合わせて登り方を選べます。山頂からは華北平原の広大な景色が一望でき、晴れた日には遠くまで視界が開けます。
春は山の花が咲き、秋は紅葉が斜面を彩り、この時期の眺望が特に美しいです。石家荘市内から日帰りで訪れやすく、博物館や正定の古寺巡りと組み合わせる行程に適しています。単なるハイキングだけでなく、中国古代の戦史と山岳寨の文化に触れられる点が、他の山岳景勝地と異なる魅力です。
営業時間
【閑散期】11 月~3 月:8:30~17:00(最終入場 16:30)
※季節や天候、施設の運営状況により変更される場合があります。訪問前に公式情報を確認してください。
アクセス
石家荘正定国際空港から車では約 1 時間の道程です。駐車場が入口付近に設置されているため、自動車での来訪も便利です。
旅のヒント
- 登山道は階段が多いので滑りにくい靴を用意してください。山頂は平地ですが風が強いことがあり、季節に応じた上着を持参すると安心です。
- 入場にはチケットが必要で、事前オンライン予約を推奨します。入場時に身分証明書(パスポート)の提示を求められる場合があります。
- 雨天時は階段が滑りやすくなるため、登山を控えるのが無難です。
- 大型連休は駐車場やロープウェイが混雑するため、早めの到着を心がけてください。
抱犢寨の写真
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