郑州商代遗址

概況：
郑州商代遗址は、河南省郑州市の中心部に位置する、今から約3600年前（紀元前16世紀頃）に築かれた商代前期の都城遺跡です。中国で現存する最古の都城遺跡の一つであり、その規模の大きさと保存状態の良さから「中国八大古都」の一つとして知られる郑州市の核心的な史跡です。遺跡の総面積は約25平方キロメートルに及び、周長約7キロメートルの内城城垣がほぼ長方形に巡らされています。この城壁は現在でも地上に残る部分が多く、高さは最大で10メートル、基部の幅は最大32メートルにもなります。1950年に発見されて以来、重要な考古学的発見が相次いでおり、特に1974年に発見された高さ1メートル、重さ86.4キログラムの「杜嶺方鼎」は商代前期最大の青銅礼器として注目を集めました。この遺跡は商王朝の最初の都城である「亳都」であったと考えられており、中国古代都市の形成過程を研究する上で極めて貴重な場所です。1961年には国務院により第一陣全国重点文物保護単位に指定されました。

見所：
現存する壮大な商代の城壁は、3600年の時を経てなおその威容を留めており、古代の建築技術の高さを窺い知ることができます。
城内北東部の宮殿区では、20か所以上の大型建築基址が発見されており、当時の政治の中心地であったことを物語っています。
遺跡からは「杜嶺方鼎」をはじめとする多数の青銅礼器が出土しており、その一部は郑州商都遗址博物院などで展示されています。
郑州商都遗址博物院では、出土文物の展示に加え、没入型のデジタル技術を活用した商文明の紹介が行われています。
遺跡を包み込むように整備された郑州商都国家考古遗址公園は、「疏林草地、顕宮露城」の設計理念のもと、市民の憩いの場となっています。

入場料：
入場は無料です。ただし、郑州商都遗址博物院への入場は、混雑緩和のため事前予約が必要な場合があります。商城遗址(shāng chéng yí zhǐ)遺跡公園エリアは終日開放されています。
博物館施設（郑州商都遗址博物院など）の開館時間は、9:00～17:00（入館は16:00または16:30まで）となっています。
博物館は毎週月曜日が休館日となります（祝祭日を除く）。住所：
河南省郑州市管城回族区東大街366号（郑州商都遗址博物院）
公共交通機関：
郑州市地下鉄2号線または3号線の「東大街駅」で下車し、F出口から東へ約150メートル進むと到着します。
市内バス（35路、60路、985路、93路、89路系統など）を利用し、「郑州文廟」バス停で下車します。バス停から博物館までは徒歩約600メートルです。貴重な文化遺産を保護するため、城壁などの遺構に登ったり、刻み目を入れたりする行為は厳禁です。
博物館内では、静かに鑑賞し、フラッシュ撮影はお控えください。
遺跡公園は広いため、見学の際は歩きやすい靴の着用をお勧めします。
夏季は日差しが強い日が多いため、帽子や日焼け止めなどの対策をされることをおすすめします。
博物館の最新の入館情報や予約状況については、訪問前に公式のウェブサイトや電話（0371-66385595など）で確認されると確実です。