嶽麓山（がくろくさん）

概況：
岳麓山は中国湖南省長沙市の湘江西岸に位置する、南岳衡山七十二峰の一つである国家重点風景名勝区です。古くから「岳麓の勝、湘楚に甲（まさ）る」と称えられ、山水・洲・城が一体となった独特の景観を有しています。ここは単なる自然の山ではなく、儒教・仏教・道教の三教が融合した文化的な名山としても知られています。特に、北宋時代に創建され「中国古代四大書院」の筆頭に数えられる岳麓書院は、千年以上にわたり教育が続けられてきた学問の聖地であり、湖湘文化の発信地として重要な役割を果たしてきました。また、春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉、冬の雪化粧と、四季折々の美しい景色を楽しむことができるほか、晋の羅漢松や唐代の銀杏など、歴史を感じさせる古木も多く見られます。

見所：
岳麓書院：中国古代四大書院の一つで、千年以上の歴史を持つ学問の聖地です。門には「惟楚有材、于斯為盛」（楚に材あり、斯くに盛ん）という有名な対聯が掲げられています。
愛晩亭：中国四大名亭の一つに数えられ、杜牧の詩句「停車坐愛楓林晩」に由来する名前を持ち、特に秋の紅葉時期は息をのむ美しさです。
麓山寺：西暦268年に建立された湖南省最古の仏寺で、「漢魏最初名勝、湖湘第一道場」と称されています。境内には「三絶碑」と呼ばれる貴重な石碑も残っています。
雲麓宮：道教の七十二福地の一つで、雲麓峰の頂上に建てられています。ここからは長沙の街並みと湘江を一望でき、景色が特に素晴らしいです。
入場料：無料（岳麓書院は別途入場料が必要です。大人40元、学生は半額20元など）岳麓山(yuè lù shān)ユエ ル シャンYuelushanハイシーズン（5月～9月）：3:00～22:00（日の出観賞期）
ローシーズン（10月～翌年4月）：6:00～22:00
※岳麓書院の開放時間は7:00～17:00です住所：湖南省長沙市登高路58号
公共交通機関：
東門（正門）へは、地下鉄2号線「栄湾鎮」駅3番出口から徒歩約6分でアクセスできます。
南門へは、地下鉄4号線「湖南大学」駅2番出口から徒歩約9分でアクセスできます。南門周辺には岳麓書院や愛晩亭などの主要な人文スポットが集中しています。入場には無料ですが、混雑緩和のため「岳麓山橘子洲旅遊区」公式微信公众号での事前予約（最大3日前から可能）が必要です。指定された時間帯にご入場ください。 山道には古い石段や青苔がある場所もありますので、歩きやすい靴でお越しになることをお勧めします。また、蚊や蛇に対する注意も必要です。 岳麓書院内では火気や喫煙は厳禁です。ドローン（無人航空機）の飛行も禁止されていますのでご注意ください。 山頂の売店の物価はやや高めです。長時間の観光を予定されている場合は、飲み物や軽食をあらかじめご準備されるとよいでしょう。