汪氏小苑

汪氏小苑（汪氏小苑）は、揚州市の東圏門歴史街区、地官第14号（一部の情報では18号とも）に位置する、清末から民国初頭にかけて活躍した塩商人・汪竹銘氏の住宅です。敷地面積は約3000平方メートル、旧来の建物は約100部屋近くあり、揚州に現存する塩商住宅の中でも最も完璧な形で保存されているものの一つとして高く評価されています。住宅部分は三つの列が平行に並び、主要な建物が三進（三つの区画）にわたって延びる整然とした布局は、儒教の中庸の思想や、当時の封建的な倫理観、風水への意識を反映しており、建築学的にも大変貴重です。また、随所に施された木彫り、レンガ彫り、石彫りは精緻を極め、四方に配された趣のある庭園と相まって、かつての塩商人の生活と文化を今に伝える魅力的な空間を創り出しています。2013年には国務院により全国重点文物保護単位に指定されました。

見所：
・「春暉室」や「樹徳堂」などの主要な建物と、そこに施された金絲楠木（キンメンナンモク）の双面透かし彫りをはじめとする見事な彫刻の数々。
・敷地の四隅に配され、それぞれ「迎曦」、「小苑春深」、「可栖」などの名称を持つ庭園。これにより「四平八穩（四方が平らで安定している）」の意味が表現されています。
・床下に隠された「蔵宝洞」、抗日战争時期に作られたという「防空洞」、目立たないように設けられた暗い部屋や戸など、かつての主人家族の秘密や安全への配慮を感じさせる仕掛けや秘密の構造。
・「福祠」とよばれるレンガ彫りの祭祀スペースや、門扉に刻まれた「五福臨門」の文様など、細部に込められた縁起の良い意味や装飾も見逃せません。

入場料：
大人30元から35元（情報源により多少の差異があります）。汪氏小苑(wāng shì xiǎo yuàn)ハイシーズン（夏季）：7:15～18:00（17:30までに入場）。
ローシーズン（冬季）：7:15～17:15（17:00までに入場）。
※ 季節や状況により変動する可能性がありますので、お出かけ前の確認をお勧めします。住所：
江苏省揚州市広陵区東圏門歴史街区 地官第14号（一部の情報源では18号とも記載）。
公共交通機関：
揚州市内の観光バス「瓊花観（ケイカカン）」バス停などで下車後、徒歩数分～十数分程度が目安となります。詳細な路線は現地の最新バス路線図でご確認ください。園内の貴重な文化財や建物、展示物には手を触れないようお願いします。大切な遺産を守るために、ご協力をお願いします。
混雑しやすい祝日や週末を避けて訪れると、よりゆったりと鑑賞できる場合があります。
見学にはある程度の歩行が必要となりますので、歩きやすい靴でお越しになることをお勧めします。
ご自身の貴重品は各自でしっかりと管理されるようお願いいたします。