大同九龍壁
概況:
大同九龍壁(だいどう きゅうりゅうへき)は、中国山西省大同市の古城内、平城区和陽街に位置する、明代に建造された巨大な琉璃影壁(照壁)です。1392年から1396年にかけて、明の太祖朱元璋の第13子である代王・朱桂の王府(代王府)の正門前の装飾壁として建立されました。長さ45.5メートル、高さ8メートル、厚さ2.02メートルという巨大なスケールを誇り、北京の故宮と北海公園にある九龍壁と並んで「中国三大九龍壁」に数えられますが、その中でも建築年代が最も古く、規模も最大であることから、「九龍壁の首」と称されています。特に、426枚もの特製五彩琉璃部材を組み合わせて造られた壁面は、黄、緑、青、紫、黒、白など多彩な色釉が施され、陽光の下でまばゆいばかりの輝きを放ちます。王府そのものは明末の戦火で焼失しましたが、この九龍壁だけは奇跡的に残り、2001年には国務院により全国重点文物保護単位に指定されました。壁の前には「倒影池」と呼ばれる池が設けられ、静かな水面に龍の姿が映し出され、風で水が揺らぐとあたかも龍が動いているかのような幻想的な光景を楽しむことができます。また、大同は市内に複数の龍壁が現存することから「龍壁の都」とも呼ばれており、その中でもこの九龍壁は最も代表的な存在です。
見所:
圧倒的なスケールと精巧な琉璃工芸:長さ45メートルを超える巨大な壁面全体が、色とりどりの琉璃瓦で覆われています。9匹の大龍のほか、壁の下部(須弥座)には獅子、虎、象、麒麟、天馬など75種類もの動物のレリーフが彫られ、その一つ一つが実に生き生きとしています。これらすべてが釘を一本も使わずに組み合わされた高度な建築技術は、まさに明代工芸の粋です。
壁前の「倒影池」で楽しむ動的な龍の姿:九龍壁の真正面に造られた長方形の池です。澄んだ水面に琉璃の龍がくっきりと映り込み、微風が吹いて波紋が立つと、映った龍がゆらめき、遊んでいるかのような趣があります。静と動、実像と虚像が織りなす独特の景観は、建設当から計算された巧妙な演出です。
「愣怔代王」にまつわる民間伝説:この壁を建てさせた代王の朱桂は、わがままかつ乱暴な性格で「愣怔代王(でんしん だいおう)」とあだ名されていたという伝説が残っています。彼が兄の燕王(後の永楽帝)の王府前の龍壁を見て羨み、それよりも「二尺長く、二尺高く、二寸厚く」造るよう命じたため、北京のどの龍壁よりも大きくなったという逸話は、この巨大建築物に人間味を添えています。
龍壁と対峙する「代王府」跡地の広大な空間:九龍壁の北側、通りを隔てた場所には、近年復元整備が進められた代王府の広大な跡地が広がっています。かつての王府の威容をしのばせる空間を背景に九龍壁を眺めると、当時の壮大なプロポーションをより実感できるでしょう。
細部までこだわった意匠とシンボリズム:壁の東西両端には「旭日東升(朝日が昇る)」と「皓月当空(明月が空に懸かる)」の图案が配され、宇宙観を表しています。また、9匹の龍の爪はすべて4本爪(四趾)で描かれており、皇帝の象徴である5本爪の龍と区別することで、藩王の礼制を守っていたことが窺えます。
入場料:
2025年7月15日より、有料化されました。
大人料金:10元。
割引料金(半額):6歳(含)~18歳(含)の未成年、全日制大学本科及びそれ以下の学生(学生証提示)は5元。
無料対象:6歳(含)以下または身長1.2メートル(含)以下の児童、60歳(含)以上の高齢者(身分証提示)、障害者、現役軍人・公安民警・消防士、退役軍人・軍人家族など(有効な証明書提示が必要)。
ハイシーズン(夏季):8:00 ~ 18:00 (最終入場は閉園時間の30分前が目安です)。
ローシーズン(冬季):8:30 ~ 17:30 (同上)。
※一部の旅行情報サイトでは、より遅くまで開園(例:21:30まで)していると記載されている場合もありますが、確実な情報は現地の表示に従ってください。
山西省大同市平城区和陽街南側(大同古城内)。
公共交通機関:
大同市街地からは、路線バスの利用が便利です。4路または17路のバスに乗車し、「九龍壁」または「和陽門南」などの最寄りバス停で下車します。
大同駅からはタクシーで約15分、大同雲岡空港からは空港バスで市街地へ出た後、上記のバスに乗り換えるか、タクシーを利用します。
自家用車の場合は、ナビゲーションで「大同九龍壁」を目的地に設定してください。周辺に有料駐車場があります。
壁面の琉璃は光沢があり、特に晴れた日の日中は太陽の反射が非常に強くなります。写真を撮影する際は、フラッシュを使用せず、また反射に注意して撮影しましょう。
景区内はそれほど広くはありませんが、石板の道や階段があります。歩きやすい靴で訪れることをお勧めします。夏季は日差しが強いので、帽子や日焼け止めの準備があると良いでしょう。
最新の入場料金と優待政策は変更される可能性があります。特に、2025年7月以降は有料化されていますので、訪問前には公式情報で最新の案内を確認することをお勧めします。
九龍壁の見学後は、同じ古城内にある「華厳寺」や「善化寺」、復元された「代王府」などと組み合わせて観光すると、大同の歴史文化をより深く理解できます。これらのスポットは徒歩圏内にあります。
大同九龍壁(だいどう きゅうりゅうへき)は、中国山西省大同市の古城内、平城区和陽街に位置する、明代に建造された巨大な琉璃影壁(照壁)です。1392年から1396年にかけて、明の太祖朱元璋の第13子である代王・朱桂の王府(代王府)の正門前の装飾壁として建立されました。長さ45.5メートル、高さ8メートル、厚さ2.02メートルという巨大なスケールを誇り、北京の故宮と北海公園にある九龍壁と並んで「中国三大九龍壁」に数えられますが、その中でも建築年代が最も古く、規模も最大であることから、「九龍壁の首」と称されています。特に、426枚もの特製五彩琉璃部材を組み合わせて造られた壁面は、黄、緑、青、紫、黒、白など多彩な色釉が施され、陽光の下でまばゆいばかりの輝きを放ちます。王府そのものは明末の戦火で焼失しましたが、この九龍壁だけは奇跡的に残り、2001年には国務院により全国重点文物保護単位に指定されました。壁の前には「倒影池」と呼ばれる池が設けられ、静かな水面に龍の姿が映し出され、風で水が揺らぐとあたかも龍が動いているかのような幻想的な光景を楽しむことができます。また、大同は市内に複数の龍壁が現存することから「龍壁の都」とも呼ばれており、その中でもこの九龍壁は最も代表的な存在です。
見所:
圧倒的なスケールと精巧な琉璃工芸:長さ45メートルを超える巨大な壁面全体が、色とりどりの琉璃瓦で覆われています。9匹の大龍のほか、壁の下部(須弥座)には獅子、虎、象、麒麟、天馬など75種類もの動物のレリーフが彫られ、その一つ一つが実に生き生きとしています。これらすべてが釘を一本も使わずに組み合わされた高度な建築技術は、まさに明代工芸の粋です。
壁前の「倒影池」で楽しむ動的な龍の姿:九龍壁の真正面に造られた長方形の池です。澄んだ水面に琉璃の龍がくっきりと映り込み、微風が吹いて波紋が立つと、映った龍がゆらめき、遊んでいるかのような趣があります。静と動、実像と虚像が織りなす独特の景観は、建設当から計算された巧妙な演出です。
「愣怔代王」にまつわる民間伝説:この壁を建てさせた代王の朱桂は、わがままかつ乱暴な性格で「愣怔代王(でんしん だいおう)」とあだ名されていたという伝説が残っています。彼が兄の燕王(後の永楽帝)の王府前の龍壁を見て羨み、それよりも「二尺長く、二尺高く、二寸厚く」造るよう命じたため、北京のどの龍壁よりも大きくなったという逸話は、この巨大建築物に人間味を添えています。
龍壁と対峙する「代王府」跡地の広大な空間:九龍壁の北側、通りを隔てた場所には、近年復元整備が進められた代王府の広大な跡地が広がっています。かつての王府の威容をしのばせる空間を背景に九龍壁を眺めると、当時の壮大なプロポーションをより実感できるでしょう。
細部までこだわった意匠とシンボリズム:壁の東西両端には「旭日東升(朝日が昇る)」と「皓月当空(明月が空に懸かる)」の图案が配され、宇宙観を表しています。また、9匹の龍の爪はすべて4本爪(四趾)で描かれており、皇帝の象徴である5本爪の龍と区別することで、藩王の礼制を守っていたことが窺えます。
入場料:
2025年7月15日より、有料化されました。
大人料金:10元。
割引料金(半額):6歳(含)~18歳(含)の未成年、全日制大学本科及びそれ以下の学生(学生証提示)は5元。
無料対象:6歳(含)以下または身長1.2メートル(含)以下の児童、60歳(含)以上の高齢者(身分証提示)、障害者、現役軍人・公安民警・消防士、退役軍人・軍人家族など(有効な証明書提示が必要)。
中国語名:
九龙壁(jiǔ lóng bì)大同九龍壁の観光時間:
景区の開放時間は季節により多少変動します。情報によると、以下の時間帯で営業しています。ハイシーズン(夏季):8:00 ~ 18:00 (最終入場は閉園時間の30分前が目安です)。
ローシーズン(冬季):8:30 ~ 17:30 (同上)。
※一部の旅行情報サイトでは、より遅くまで開園(例:21:30まで)していると記載されている場合もありますが、確実な情報は現地の表示に従ってください。
大同九龍壁へのアクセス:
住所:山西省大同市平城区和陽街南側(大同古城内)。
公共交通機関:
大同市街地からは、路線バスの利用が便利です。4路または17路のバスに乗車し、「九龍壁」または「和陽門南」などの最寄りバス停で下車します。
大同駅からはタクシーで約15分、大同雲岡空港からは空港バスで市街地へ出た後、上記のバスに乗り換えるか、タクシーを利用します。
自家用車の場合は、ナビゲーションで「大同九龍壁」を目的地に設定してください。周辺に有料駐車場があります。
注意事項:
九龍壁は国指定の重要文化財です。琉璃の壁面や周囲の欄干に触れたり、登ったり、落書きをすることは絶対にやめましょう。また、池に物を投げ入れることも禁止されています。壁面の琉璃は光沢があり、特に晴れた日の日中は太陽の反射が非常に強くなります。写真を撮影する際は、フラッシュを使用せず、また反射に注意して撮影しましょう。
景区内はそれほど広くはありませんが、石板の道や階段があります。歩きやすい靴で訪れることをお勧めします。夏季は日差しが強いので、帽子や日焼け止めの準備があると良いでしょう。
最新の入場料金と優待政策は変更される可能性があります。特に、2025年7月以降は有料化されていますので、訪問前には公式情報で最新の案内を確認することをお勧めします。
九龍壁の見学後は、同じ古城内にある「華厳寺」や「善化寺」、復元された「代王府」などと組み合わせて観光すると、大同の歴史文化をより深く理解できます。これらのスポットは徒歩圏内にあります。
大同九龍壁の写真
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