懸空寺

概況:
懸空寺(けんくうじ)は、中国山西省大同市渾源県の北岳・恒山の金龍峡(きんりゅうきょう)西側、翠屏峰(すいへいほう)の断崖絶壁に張り付くように建つ、世界でも稀な木造建築群です。北魏の太和15年(491年)に創建され、1500年以上の歴史を持ちます。もともとは「玄空閣」と呼ばれ、道家の「玄」と仏家の「空」の思想に由来する名でしたが、寺院が崖に「懸かっている」様子から、「懸空寺」と呼ばれるようになりました。最大の特徴は、仏教、道教、儒教という三つの宗教が一つの寺で共存する、中国唯一の「三教合一」の寺院であることです。力学を駆使した建築は「奇、懸、巧」と称えられ、限られた面積に40近くの楼閣が複雑に組み合わさり、まるで空中に浮かんでいるかのような景観を作り出しています。唐代の詩人・李白が「壮観」と賛嘆し、明代の旅行家・徐霞客が「天下の巨観」と称えたことでも知られ、1982年に全国重点文物保護単位に指定されました。

見所:
三教殿は寺の最高所に位置し、釈迦牟尼、老子、孔子の三尊像が並んで祀られている、懸空寺の精神的中心です。
「懸空寺、半天高、三根马尾空中吊」と言われるほど、崖に張り付いた建築そのものが最大の見所です。十数本の柱で支えられているように見えますが、実際の重心は岩盤に深く埋め込まれた横梁(はり)にかかっている巧妙な構造です。
寺の下の岩肌には、李白がこの地を訪れた際に書いたと伝えられる「壮觀」の二字が刻まれており、歴史の重みを感じさせます。
南北の楼閣をつなぐ長さ約10メートルの「長線橋」を渡ると、眼下に深い峡谷を望むことができ、スリルを味わえます。
寺院は崖の凹み部分に建設され、上に突き出た岩が天然の屋根の役割を果たしています。これにより、風雨や日光による損傷から守られ、千年以上の保存を可能にしたと言われています。

入場料:
入場料は、景区入場券と登閣(寺内に入る)料金がセットになっています。
大人全票:115元(内訳:入場券15元 + 登臨費100元)。
割引券(学生など):58元(内訳:入場券8元 + 登臨費50元)。
※身長1.2メートル以下の児童、70歳以上の高齢者、障害者、現役軍人等は証明書提示で無料となる場合があります。詳細は現地の案内をご確認ください。
中国語名:
悬空寺(xuán kōng sì)
懸空寺の観光時間:
季節によって時間が変わります。
ハイシーズン(3月1日~10月31日):8:00 ~ 17:00。
ローシーズン(11月1日~2月28日):8:30 ~ 16:30。
※最終入場は閉園時間の30分~1時間前となる場合があります。
懸空寺へのアクセス:
住所:
山西省大同市渾源県東南郊、恒山脚下(金龍峡西側翠屏峰)。
公共交通機関:
大同市からアクセスする場合が一般的です。大同市の新南駅(長距離バスターミナル)から渾源県行きのバスに乗車します(料金は約22元)。渾源県からは、タクシーまたは現地の路線バスを利用して懸空寺景区へ向かいます。
大同駅周辺から出ている懸空寺・恒山一日観光バスを利用する方法もあります。
五台山から訪れる場合は、大同行きの長距離バスに乗車し、途中で下車する方法もあります。
注意事項:
見学にはオンラインでの実名制予約が必要です。混雑期は特に予約がすぐに埋まりますので、早めに計画を立てて予約してください。
登閣(寺内に入る)には別途「登臨費」が必要です。入場券とセットで購入します。
寺内は非常に狭く、階段や通路が急です。必ず歩きやすい運動靴やスニーカーを履いて行きましょう。
サンダルやハイヒールは危険です。 高所かつ狭い空間のため、混雑時は入場制限や一方通行が実施されます。
係員の指示に従い、押したり混雑したりしないようご注意ください。 貴重な文化財を保護するため、建物の柱や欄干に寄りかかったり、倚りかかったりしないでください。
フラッシュや三脚を使った撮影は禁止されている場合があります。 崖の上にあるため、風が強い日や雨の日は足元が滑りやすくなります。
天候が悪い日は、安全を第一に考え、無理をしないようにしましょう。

懸空寺の写真

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