恒山游覧区

概況：
北岳恒山は、中国山西省大同市渾源県城南約4キロメートルに位置する、中国五岳の一つです。東西に500里（約250キロメートル）にわたって連なる山脈は108の峰からなり、その主峰である天峰嶺の標高は2016.1メートルに達します。古来より「人天北柱」「絶塞名山」と称えられ、その雄大な姿は北国を代表する景観となっています。歴史的には、紀元前から舜帝によって北岳として封じられ、秦の時代には「天下第二山」とされました。また、道家三十六洞天の第五小洞天とされ、張果老をはじめとする多くの道教の仙人が修行したと伝わる、中国北方における道教の発祥地の一つとしても知られています。1982年には国家級風景名勝区に、2009年には国家自然・文化複合遺産に指定されました。山内には、断崖に建つ奇跡の建築「懸空寺」をはじめ、多くの寺廟や摩崖石刻が点在し、「青空の歴史博物館」とも呼ばれています。

見所：
天峰嶺からの眺望：主峰である天峰嶺に登頂すれば、連なる山々と壮大な景色を一望でき、「一覧衆山小」の感覚を味わえます。
峡谷の絶景・金龍峡：天峰嶺と翠屏峰の間に位置する峡谷で、切り立った断崖と谷底を流れる清流が織りなす景観は、自然の驚異です。
世界の奇跡建築・懸空寺：北魏後期に創建され、断崖絶壁に張り付くように建てられた寺院です。仏教、道教、儒教の三教が合一した珍しい建築で、その「危険、巧妙、奇抜」な構造は、米国『タイム』誌により世界十大危険建築の一つに選ばれました。
険しい階段が続く恒宗殿：恒山廟群の中心となる本殿で、山門前の103段の急勾配な石段は、登る者に強い印象を与えます。
道教の聖地・会仙府：恒山で最も早く仙人が住んだとされる場所で、多くの摩崖石刻が残されています。
「恒山古十八景」：虎風口の「懸根松」、張果老の伝説が残る「果老嶺」など、風光明媚で伝説に彩られた景観が数多くあります。
地元の味：滑らかな食感が特徴の「渾源涼粉」や、薬膳効果のある「黄耆羊肉」など、山岳地方ならではの美食も楽しめます。

入場料：
恒山景区（廟群エリア）：大人45元、割引券23元。
懸空寺：入園券15元、登閣（寺内に入る）料金100元。両方を購入する必要があります。
永安寺：大人20元、割引券10元。
圓覚寺：大人20元、割引券10元。
文廟、栗氏佳城：無料。
※割引対象（学生、軍人家族など）や無料対象（60歳以上、障害者、現役軍人など）の方は、有効な身分証明書を提示することで適用されます。恒山游览区(héng shān yóu lǎn qū)季節により変動します。
夏季（5月～9月）：恒山廟群 8:00～17:30 / 懸空寺 8:00～18:00。
冬季（1月、2月、11月、12月）：恒山廟群 8:30～16:00 / 懸空寺 8:30～16:30。
春秋季（3月、4月、10月）：恒山廟群 8:00～16:30 / 懸空寺 8:00～17:00。
※最終入場は閉園時間の30分～1時間前となる場合があります。また、祝日や観光シーズンは客流量に応じて時間が調整されることがあります。住所：
山西省大同市渾源県城南約4キロメートル。ナビゲーションでは「恒山游客中心」を目的地に設定するのが便利です。
公共交通機関：
大同市から：大同長距離バスターミナル（新南駅）から渾源県行きのバスに乗車します。渾源県からは、タクシーまたは現地のバス（8路など）で恒山景区または懸空寺へ向かいます。
鉄道利用：大同駅に到着後、上記のバスを利用します。
自家用車：栄烏（G18）高速道路の「渾源」インターチェンジで降り、標識に従って「恒山游客中心」へ向かいます。全ての観光客はここで駐車後、シャトルバス恒山景区（廟群エリア）への入場には、オンラインでの実名制事前予約が必要です（60歳以上の方も含む）。「恒山景区」公式WeChatアカウントなどから予約できます。
シャトルバスは必須です。自家用車やタクシーは「恒山游客中心」までしか入れず、そこからシャトルバスで各景区へ移動します。運行時間（例：恒山行き7:30～17:00）を確認しておきましょう。
懸空寺の登閣（内部見学）を希望する場合は、入園券とは別に「登臨票」の購入が必要です。非常に人気が高く、当日券は早くに売り切れることが多いため、オンラインでの事前予約・購入を強くお勧めします。
山岳部は天候が変わりやすく、麓と頂上で気温差が大きいです。防寒着、雨具、歩きやすい靴を準備してください。日差しが強い日は日焼け止めも忘れずに。
貴重な文化財です。石刻や建築物に触れたり、落書きをしたりしないよう、マナーを守って見学してください。また、景区内での喫煙や火気の使用は禁止されています。