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大同蒸汽機車陳列館

概況:
大同蒸汽機車陳列館(だいどう じょうききかんしゃ ちんれつかん)は、中国山西省大同市の雲岡区に位置する、かつて「中国(大同)国際蒸汽機車節」の会場としても使用された、蒸気機関車に特化した産業遺産博物館です。その起源は、1988年9月15日に大同で開催された「第一回中国大同国際蒸汽機車節」および同時開催の「中国歴代蒸汽機車巡回展」にまで遡ります。このイベントを契機に、世界最後の幹線蒸気機関車の大規模生産工場として知られた大同機車廠(現:中車大同電力機車有限公司)の構内に、同廠が製造した機関車を中心に展示する施設として整備されました。最盛期には、英国製の「MG型」、アメリカ製の「KD7型」、日本製の「JF2型」など、国内外の貴重な実機が十数台以上並び、「0号」機関車(現存する中国最古の蒸気機関車)や、伝説の「前進型」など中国鉄道史を語る上で欠かせない車両も所蔵していました。また、全国鉄道教育基地、山西省德育教育基地にも指定され、多くの鉄道ファンや学生が訪れる人気スポットでした。しかし、1992年以降のイベント中止や、一部貴重なコレクション(「0号」機関車など)の北京への移管を経て、その規模は縮小。現在は、かつての輝きに比べるとやや寂れた状態ではありますが、工場の正門近くや関連施設に数台の蒸気機関車が静態保存されており、中国重工業発展の生きた証人として、また大同が「蒸気機関車の都」と呼ばれた時代の記憶を留める貴重なスポットとなっています。

見所:
工場正門前のシンボル「前進型QJ1997号機」:中車大同公司の廠史館前に静態保存されている、堂々たる姿の蒸気機関車です。この車両は2017年に「故郷」である大同に戻り、永久展示されました。かつて国鉄幹線を駆け抜けた勇姿を想像させ、記念写真に最適なスポットです。
かつての「陈列館」エリアに残る車両群:かつての展示エリア周辺には、アメリカ製「KD7型」や、世界最大級の牽引力を誇ったとされる「前進型」など、数台の機関車が屋外に保存されています。長年の風雨にさらされた姿は、歴史の重みと産業遺産の儚さを同時に伝えています。
中国鉄道史を体感できる多様な車種:最盛期には、新中国初の国産蒸気機関車「解放型」(八一型)や、独特のデザインの「人民型」、工場で試作されたガス発生炉式の「煤气蒸汽機車」など、多種多様な車両が展示されていました。これらの実物は現在、他の博物館に移されている可能性もありますが、かつてここが中国蒸気機関車技術の「生きた博物館」であったことを物語っています。
「大同機車廠」という歴史的現場:この陈列館の最大の特徴は、単なる展示施設ではなく、実際に何千台もの蒸気機関車を生み出した生産現場(工場)の中にある点です。広大な工場敷地と歴史的建造物の間を歩くだけで、新中国建設期の熱気と「自力更生」の精神を感じ取ることができます。
産業アートとしての蒸気機関車:陈列館に関連するものとして、画家の陳海濤氏が十年かけて描いた60点以上に及ぶ国画による蒸気機関車シリーズがあります。これらの作品は、単なる機械ではなく、一個の時代の「芸術品」としての蒸気機関車の美しさを再認識させてくれます。作品の中には、かつてここに展示されていた「0号」機関車や「前進型8001号」機も描かれています。

入場料:
かつては有料で公開されており、学生票なども発行されていましたが、現在の公開状況や具体的な入場料金は明確に定められていないようです。工場敷地内の一般公開エリアであれば無料で外観を見学できる可能性もありますが、詳細は現地の状況に依存します。見学を希望される場合は、事前に中車大同電力機車有限公司や大同市の観光案内所に問い合わせることを強くお勧めします。
中国語名:
大同蒸汽机车陈列馆(dà tóng zhēng qì jī chē chén liè guǎn)
大同蒸汽機車陳列館の観光時間:
常設の観光施設としての明確な開館時間は設定されていない可能性が高いです。工場の業務時間や保安上の都合により、立ち入りが制限される場合があります。 参考情報として、大同市の一般的な観光施設の営業時間を記載しますが、これはあくまで目安です。 ハイシーズン(4月~10月):8:00 ~ 17:30 (最終入場は17:00頃を想定)。 ローシーズン(11月~3月):8:30 ~ 17:00 (最終入場は16:30頃を想定)。 ※ あくまで推定であり、実際には訪問前に必ず確認が必要です。工場見学ツアー等が不定期で実
大同蒸汽機車陳列館へのアクセス:
住所: 山西省大同市雲岡区同泉路(大同機車廠/中車大同電力機車有限公司構内及びその周辺)。 ※ 施設が工場敷地内にあるため、具体的な番地の表記は難しい場合があります。「大同機車廠」または「中車大同公司」を目印にされると良いでしょう。
公共交通機関: 大同市街地からは、タクシーを利用するのが最も確実です。「大同機車廠」(または「428」)と行き先を告げれば、ほとんどの運転手さんがご存知です。 バスを利用する場合は、17路、23路などの路線バスに乗車し、「大同機車廠」または「同車公司」バス停で下車します。そ
注意事項:
この陈列館は、現在も稼働する大型工場の敷地内またはその隣接地にあります。見学の際は、まず工場の正門守衛所などで、構内への立ち入りや機関車の見学が可能かどうかを必ず確認し、許可を得てから行動してください。無断で立ち入ることは危険であり、トラブルの原因となります。
保存されている機関車は貴重な産業遺産ですが、長年屋外に置かれているため、老朽化や錆が進んでいる部分があります。車体に触れたり、登ったりすることは絶対にやめ、安全な距離から鑑賞しましょう。
工場周辺は大型車両の往来が多く、また広大な構内は初めての方には分かりにくい場所もあります。見学の際は、くれぐれも車両や機械に注意し、指定された見学路以外には入らないでください。
かつての栄華に比べ、現在は管理が行き届いていない可能性があります。整備された博物館のような施設を期待すると、落差を感じるかもしれません。あくまで「産業遺跡」を巡る歴史探訪の気持ちで訪れることをお勧めします。
大同の工業観光を楽しむなら、同じく雲岡区にある「晋華宮国家矿山公園」では、実際の炭鉱坑道に入る「井下探秘游」が体験できます。また、かつての大同ガス工場をリノベーションした「大同煤气廠工業遺址」も文化創意園として注目されています。これらと組み合わせたプランを立てると、大同の産業歴史をより深く理解できるでしょう。

大同蒸汽機車陳列館の写真

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