応県木塔

概況:
応県木塔(おうけんもくとう)は、中国山西省朔州市応県の中心部に位置する、正式名称を「仏宮寺釈迦塔(ぶっきゅうじ しゃかとう)」という世界現存最古・最高の木造楼閣式仏塔です。遼の清寧2年(1056年)に建立され、2025年現在で築969年という驚異的な歴史を持ちます。高さは67.31メートル、底部直径は30メートルを超え、その威容は周囲の平野部からも遠望できるほどです。外観は五層六檐(屋根が六重に見える)の八角形で、内部には四つの暗層(構造強化のための非公開階層)が設けられ、実質的には九層の構造となっています。建築の最大の特徴は、一本の釘も使わず、54種類240組にも及ぶ複雑な斗拱(ときょう)と精巧な榫卯(ほぞあな)構造だけで組み上げられている点にあり、その技術の高さから「斗拱の博物館」とも称されます。イタリアのピサの斜塔、パリのエッフェル塔と並び「世界三大奇塔」に数えられることもあり、その文化的・建築的価値から1961年に国務院によって全国重点文物保護単位に指定され、国家AAAA級観光地にもなっています。しかし、1930年代の不適切な改修や過去の戦災の影響により塔体は傾斜を続けており、現在は貴重な文化財を保護するため、内部への立ち入りは一層部分に限定されています。

見所:
圧倒的なスケールと精巧無比な木組構造:高さ約67メートル、総重量約7400トンという巨大な塔が、釘を一切使わない伝統的木組技術だけで約千年間立ち続けている事実そのものが最大の見所です。特に各層の軒下に組み合わされた多種多様な斗拱は、構造材であると同時に装飾でもあり、中国木造建築の美しさと技術の極致を目の当たりにできます。
一層内部の巨大な釈迦如来坐像と壁画:現在公開されている一層内部には、高さ約11メートルの釈迦如来坐像が安置されています。この仏像は契丹民族の特色を反映してひげを生やしていると言われ、周囲の壁面には鮮やかな色彩の如来や天王、飛天の壁画が残されており、当時の宗教美術の水準の高さを窺い知ることができます。
歴代皇帝や名士が寄進した貴重な扁額:塔の内外には、明の成祖永楽帝が寄進した「峻極神工」、明の武宗正徳帝が寄進した「天下奇観」をはじめ、金代や清代のものなど、合わせて54枚もの歴史的扁額が掛けられています。これらは木塔が歴代王朝からいかに尊崇されてきたかを物語る文化的遺産です。
梁思成との逸話と保護の歴史:中国を代表する建築史家である梁思成は、1933年にこの塔を実測調査し、「この塔を見なければ、木造構造の可能性がどこまで達し得るかを知ることはできない」と絶賛しました。同時に、当時の地元郷紳が構造上重要な夾泥牆(壁)と斜撐を取り外して格子戸に換えたことを憂い、将来の傾斜を予見しました。このエピソードは、木塔の価値とその脆弱な保存状態を象徴するものとして、今も語り継がれています。
生命と共にある塔の風景:塔の周りを飛び交うムクドリ(麻燕)の群れは、木塔の風物詩です。これらの鳥は木材を食い荒らす害虫を食べてくれる「塔の守護者」とも言われ、千年の時を超えた生態系の営みを感じさせます。また、夕暮れ時に聞こえる塔檐の風鐸の音は、静寂の中に歴史の響きを運んできます。

入場料:
大人料金は50元です。
優待料金(半額):6歳(不含)から18歳(含)の未成年人、全日制大学本科及びそれ以下の学生(学生証提示)は25元となります。
無料対象:6歳(含)以下または身長1.2メートル(含)以下の児童、60歳(含)以上の高齢者(身分証提示)、障害者、現役軍人、退役軍人などが該当します(有効な証明書の提示が必要です)。
中国語名:
应县木塔(yīng xiàn mù tǎ)
中国語名の読み方:
イン シェン ムゥ ター
英語名:
Yingxian Wooden Pagoda
応県木塔の観光時間:
景区の開放時間は季節により変わります。
ハイシーズン(4月~10月):8:00 ~ 18:00 (入場は17:30まで)。
ローシーズン(11月~3月):8:30 ~ 17:30 (入場は17:00頃までが目安)。
※情報により8:00-17:00を通年としているものもありますが、大型連休等では延長される可能性があります。最新情報は公式発表をご確認ください。
応県木塔へのアクセス:
住所:
山西省朔州市応県応元街1号(応県木塔景区内)。
公共交通機関:
鉄道をご利用の場合:大同南駅から応県駅行きの列車(約30分)に乗車し、応県駅で下車します。駅前から木塔景区行きのバス(接駁公交)が出ており、料金は5元、所要時間は約30分です。帰りは応県汽車西站から応県駅行きのバスを利用するか、タクシー(約30元)が便利です。
長距離バスをご利用の場合:大同市の新南客運站などから応県行きのバスに乗車し、応県バスターミナルで下車後、タクシーまたは徒歩で向かいます。
自家用車の場合は、ナビゲーシ
注意事項:
木塔は深刻な傾斜が進んでいる国宝です。現在、内部見学は一層のみに制限されており、二層以上への登塔は完全に禁止されています。塔の柱や壁、展示物に触れたり、倚りかかったりすることは絶対にやめましょう。 仏像が安置されている一層内部は神聖な空間です。静かに参拝・見学し、フラッシュを使用した撮影は控えましょう。また、許可なく仏像や壁画の詳細部分を撮影することもご遠慮ください。 木塔の周囲は石畳の広場です。夏季は日差しが強く、冬季は風が冷たいため、季節に応じた帽子、日焼け止め、防寒具の準備をお勧めします。歩きやすい靴で訪れましょう。 木塔の見学後は、東門から徒歩約10分の場所にある「浄土寺」も合わせて訪れるのがおすすめです。ここには「天宮楼閣藻井」と「披頭散髪石獅子」という二つの貴重な文化財があります。 混雑を避けてゆっくり鑑賞したい方は、午前中や夕方の閉園間際を狙うと良いでしょう。また、歴史的背景を深く理解するために、景区入口で音声ガイドを借りるか、公式ガイド(約10元/人とされる)の説明を聞くことをお勧めします。

応県木塔の写真

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