双林寺
概況:
双林寺(そうりんじ)は、中国山西省晋中市平遥県の西南約6キロメートル、橋頭村に位置する、彩塑(彩色塑像)の宝庫として知られる仏教寺院です。その歴史は古く、創建年代は不詳ですが、北宋の大中祥符4年(1011年)の碑文に「北斉の武平2年(571年)に重修」と記されていることから、少なくとも1400年以上の歴史を持つことが分かります。もとは「中都寺」と呼ばれましたが、宋代に釈迦が入滅した沙羅双樹の故事に因み、「双林寺」と改称されました。寺院は坐北朝南(南向き)に建ち、明代に築かれた高い夯土(土を突き固めた)の城壁に囲まれ、外観は小さな城塞のようで、総面積は約1万5千平方メートルに及びます。ここは平遥古城、鎮国寺と共に「一城両寺」としてユネスコ世界文化遺産に登録されており、その最大の魅力は、宋、元、明、清の各時代にわたって制作された2000体以上にも及ぶ色彩豊かな塑像群にあります。これらは唐代以来の彩塑の伝統を継承した高度に写実的な作風で、「東方彩塑芸術の宝庫」と称賛されています。特に明代の塑像はその芸術的完成度が極めて高く、静と動、力と優美を見事に融合させた仏教美術の頂点を成しています。
見所:
「全国韋駄之冠」と讃えられる千仏殿の韋駄天立像:千仏殿に安置される韋駄天像は、双林寺を代表する至宝です。その身体はS字型に優美に捻られ、鎧のひだや天衣の流れには躍動感が満ちています。武人の剛毅さと内省的な知性を併せ持った独特の表情は、中国明代彩塑の最高傑作と評されます。
優美で自在な姿の「自在観音像」:同じく千仏殿の主尊である自在観音は、従来の厳格な坐像形式を打破し、片足を踏み下ろし、片膝を立てて安らかに座る姿で表現されています。そのリラックスした姿勢と穏やかな表情は、まさに「自在」の名に相応しく、人間味あふれる傑作です。
圧倒的な存在感を放つ天王殿の四大金剛:入り口の天王殿の廊下には、高さ約3メートルの四体の金剛力士像が並びます。その筋骨隆々とした体躯、怒りを秘めた眼光、緊迫した表情は、訪れる者に強い威圧感を与え、仏法守護の神々の力を感じさせます。
精巧な懸塑(つりあげ塑造)に囲まれた菩薩殿の千手千眼観音:中院西側の菩薩殿の主尊です。実際には28本の腕を持つ千手観音像は、背後に広がる数百体の菩薩懸塑の中にあり、その繊細で優雅な造形は息をのむ美しさです。近年の人気ゲーム『黑神話:悟空』の舞台の原型とも言われ、若い世代からも注目を集めています。
物語性豊かな釈迦殿の仏伝壁塑と渡海観音:第一進院落の主殿である釈迦殿の壁面には、釈迦の誕生から涅槃までを描いた200体以上の塑像が连环画のように配置されています。また、殿内の影壁の後ろには、荒波を渡る観音菩薩像(渡海観音)が安置され、静と動の対比が見事です。
入場料:
大人料金は33元です(オンライン購入で若干の割引がある場合もあります)。
学生(全日制、学生証提示)、60歳(含)以上の高齢者(身分証提示)などは、規定により半額優待の対象となります。
身長1.2メートル(含)以下の児童、70歳(含)以上の高齢者、障害者、現役軍人などは、有効な証明書の提示により無料で入場できます。
※2025年3月から9月にかけて、土地殿、地蔵殿、菩薩殿などの一部殿堂で保護修復工事が行われており、内部が見学できない場合があります。最新情報は訪問前に公式発表でご確認ください。
ハイシーズン(4月1日~10月31日頃):8:00 ~ 18:00 (最終入場は閉門の30分前が目安)。
ローシーズン(11月1日~3月31日頃):8:00 ~ 17:30 (同上)。
※情報により閉門時間が18:30との記載もありますが、確実な情報は現地の表示に従ってください。また、各殿堂は閉門の15分前には入場を終了することがあります。
山西省晋中市平遥県双林正街28号。
公共交通機関:
平遥古城からお越しの場合:古城内または周辺のバス停から108路バス(北線または南線)に乗車し、「双林寺」バス停で下車します。バスの本数は限られているため、時刻表を確認することをお勧めします。
より便利なのはタクシーを利用する方法です。平遥古城の主要な出入口から双林寺まで、片道約15分、料金は20元前後が相場です。帰りのタクシーが少ない可能性があるため、運転手に待っていてもらう交渉をすると安心です(待機料金が別途かかります)。
自家用車の
塑像の細かい表情や歴史的背景を深く理解するには、解説が不可欠です。景区入口で専門のガイド(約50元/回)を依頼するか、音声ガイドを借りることを強くお勧めします。そうでなければ、せっかくの芸術品の価値を十分に味わうことが難しくなります。
ハイシーズンや週末は観光バスの団体客で大変混雑します。落ち着いて鑑賞したい方は、開門直後の朝一番(8時)に訪れるのがベストです。また、見学には最低2時間、ゆっくり回ると3~4時間は見込んでおきましょう。
寺院内は石畳や階段が続きます。歩きやすい靴を履いて訪問してください。夏季は日差しが強い場所もありますので、帽子や日焼け止めの準備があると良いでしょう。
景区入口のチケット売り場や案内所では、スタンプを集めることができる「通関文牒」のような記念品が配布されていることがあります。お土産としても良い記念になりますので、ぜひ受け取ってみてください。
双林寺(そうりんじ)は、中国山西省晋中市平遥県の西南約6キロメートル、橋頭村に位置する、彩塑(彩色塑像)の宝庫として知られる仏教寺院です。その歴史は古く、創建年代は不詳ですが、北宋の大中祥符4年(1011年)の碑文に「北斉の武平2年(571年)に重修」と記されていることから、少なくとも1400年以上の歴史を持つことが分かります。もとは「中都寺」と呼ばれましたが、宋代に釈迦が入滅した沙羅双樹の故事に因み、「双林寺」と改称されました。寺院は坐北朝南(南向き)に建ち、明代に築かれた高い夯土(土を突き固めた)の城壁に囲まれ、外観は小さな城塞のようで、総面積は約1万5千平方メートルに及びます。ここは平遥古城、鎮国寺と共に「一城両寺」としてユネスコ世界文化遺産に登録されており、その最大の魅力は、宋、元、明、清の各時代にわたって制作された2000体以上にも及ぶ色彩豊かな塑像群にあります。これらは唐代以来の彩塑の伝統を継承した高度に写実的な作風で、「東方彩塑芸術の宝庫」と称賛されています。特に明代の塑像はその芸術的完成度が極めて高く、静と動、力と優美を見事に融合させた仏教美術の頂点を成しています。
見所:
「全国韋駄之冠」と讃えられる千仏殿の韋駄天立像:千仏殿に安置される韋駄天像は、双林寺を代表する至宝です。その身体はS字型に優美に捻られ、鎧のひだや天衣の流れには躍動感が満ちています。武人の剛毅さと内省的な知性を併せ持った独特の表情は、中国明代彩塑の最高傑作と評されます。
優美で自在な姿の「自在観音像」:同じく千仏殿の主尊である自在観音は、従来の厳格な坐像形式を打破し、片足を踏み下ろし、片膝を立てて安らかに座る姿で表現されています。そのリラックスした姿勢と穏やかな表情は、まさに「自在」の名に相応しく、人間味あふれる傑作です。
圧倒的な存在感を放つ天王殿の四大金剛:入り口の天王殿の廊下には、高さ約3メートルの四体の金剛力士像が並びます。その筋骨隆々とした体躯、怒りを秘めた眼光、緊迫した表情は、訪れる者に強い威圧感を与え、仏法守護の神々の力を感じさせます。
精巧な懸塑(つりあげ塑造)に囲まれた菩薩殿の千手千眼観音:中院西側の菩薩殿の主尊です。実際には28本の腕を持つ千手観音像は、背後に広がる数百体の菩薩懸塑の中にあり、その繊細で優雅な造形は息をのむ美しさです。近年の人気ゲーム『黑神話:悟空』の舞台の原型とも言われ、若い世代からも注目を集めています。
物語性豊かな釈迦殿の仏伝壁塑と渡海観音:第一進院落の主殿である釈迦殿の壁面には、釈迦の誕生から涅槃までを描いた200体以上の塑像が连环画のように配置されています。また、殿内の影壁の後ろには、荒波を渡る観音菩薩像(渡海観音)が安置され、静と動の対比が見事です。
入場料:
大人料金は33元です(オンライン購入で若干の割引がある場合もあります)。
学生(全日制、学生証提示)、60歳(含)以上の高齢者(身分証提示)などは、規定により半額優待の対象となります。
身長1.2メートル(含)以下の児童、70歳(含)以上の高齢者、障害者、現役軍人などは、有効な証明書の提示により無料で入場できます。
※2025年3月から9月にかけて、土地殿、地蔵殿、菩薩殿などの一部殿堂で保護修復工事が行われており、内部が見学できない場合があります。最新情報は訪問前に公式発表でご確認ください。
中国語名:
双林寺(shuāng lín sì)双林寺の観光時間:
通年営業していますが、季節により閉門時間が異なります。ハイシーズン(4月1日~10月31日頃):8:00 ~ 18:00 (最終入場は閉門の30分前が目安)。
ローシーズン(11月1日~3月31日頃):8:00 ~ 17:30 (同上)。
※情報により閉門時間が18:30との記載もありますが、確実な情報は現地の表示に従ってください。また、各殿堂は閉門の15分前には入場を終了することがあります。
双林寺へのアクセス:
住所:山西省晋中市平遥県双林正街28号。
公共交通機関:
平遥古城からお越しの場合:古城内または周辺のバス停から108路バス(北線または南線)に乗車し、「双林寺」バス停で下車します。バスの本数は限られているため、時刻表を確認することをお勧めします。
より便利なのはタクシーを利用する方法です。平遥古城の主要な出入口から双林寺まで、片道約15分、料金は20元前後が相場です。帰りのタクシーが少ない可能性があるため、運転手に待っていてもらう交渉をすると安心です(待機料金が別途かかります)。
自家用車の
注意事項:
双林寺の彩塑は千年以上前の貴重な文化財で、その彩色は非常に脆いです。塑像に触れることは絶対にやめましょう。また、ほとんどの殿堂内部では文化財保護のため写真撮影(フラッシュの有無を問わず)が禁止されています。室外の建築や庭園の写真は可能です。塑像の細かい表情や歴史的背景を深く理解するには、解説が不可欠です。景区入口で専門のガイド(約50元/回)を依頼するか、音声ガイドを借りることを強くお勧めします。そうでなければ、せっかくの芸術品の価値を十分に味わうことが難しくなります。
ハイシーズンや週末は観光バスの団体客で大変混雑します。落ち着いて鑑賞したい方は、開門直後の朝一番(8時)に訪れるのがベストです。また、見学には最低2時間、ゆっくり回ると3~4時間は見込んでおきましょう。
寺院内は石畳や階段が続きます。歩きやすい靴を履いて訪問してください。夏季は日差しが強い場所もありますので、帽子や日焼け止めの準備があると良いでしょう。
景区入口のチケット売り場や案内所では、スタンプを集めることができる「通関文牒」のような記念品が配布されていることがあります。お土産としても良い記念になりますので、ぜひ受け取ってみてください。
双林寺の写真
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