戸県

概況：
戸県は現在の西安市鄠邑区に当たり、西安市の南西約29キロに位置しています。かつては「扈国」とも呼ばれ、2000年以上の歴史を持つ古い土地です。南には秦嶺山脈が連なり、北には渭水が流れる自然豊かな地域で、「画郷」、「銀戸県」、「小西安」など多くの美称を持ちます。特に、1958年に農民たちが壁画を描き始めたことを起源とする「戸県農民画」は、素朴で力強い表現で国内外に知られ、その作品を集めた戸県農民画展覧館は全国最大級の民間芸術殿堂として多くの観光客を集めています。また、歴史的には草堂寺や重阳宮などの重要な寺観があり、自然景観では「北方の九寨溝」と称される太平峪など、多様な魅力に溢れています。

見所：
戸県農民画展覧館では、農村の生活や歴史を題材にした色鮮やかで生き生きとした農民画の数々を鑑賞できます。館内には8つの展示室があり、約500点の作品が常設展示されています。また、農民画だけでなく、剪纸や布艺、皮影など、戸県特有の民間工芸品も見学・購入できます。
歴史ある「渼陂湖」は、「関中山水最佳処」と賞される景勝地です。唐代には多くの文人が訪れ、詩を詠んだ場所として知られ、現在は市民の憩いの場となっています。
県城の中心にある「戸県鐘楼」は、明代に建てられた近400年の歴史を持つ楼閣で、内部は博物館として公開されています。登楼すれば街並みを一望できます。
「草堂寺」は、仏教の「三論宗」の祖庭であり、日本にも影響を与えた鳩摩羅什の訳経場があった古刹です。「草堂煙霧」は長安八景の一つに数えられています。
「太平国家森林公園」は、戸県太平峪内にあり、大小12の瀑布群が特徴で、その美しさから「北方の九寨溝」と呼ばれています。

入場料：
戸県農民画展覧館：無料（特別展などにより変動の場合あり）。
戸県鐘楼：無料。
渼陂湖：無料（一部エリアの施設利用は有料の場合あり）。
草堂寺：有料（詳細は現地でご確認ください）。
太平国家森林公園：有料（詳細は現地でご確認ください）。户县(hù xiàn)戸県農民画展覧館：通年 9:00〜17:00（最終入館は閉館30分前が目安です）。 戸県鐘楼：通年 9:00〜17:00。 渼陂湖：通年 終日開放（夜間は照明など安全にご注意ください）。 草堂寺：通年 8:30〜17:00。 太平国家森林公園： ハイシーズン（3月〜11月）：8:00〜17:00 ローシーズン（12月〜2月）：8:30〜16:30 ※各施設の詳細な時間は変更となる場合がありますので、訪問前に最新情報をご確認ください。住所：
戸県農民画展覧館：陝西省西安市鄠邑区画展街中段路南。
戸県鐘楼：陝西省西安市鄠邑区甘亭街道東街。
渼陂湖：陝西省西安市鄠邑区涝河西岸。
草堂寺：陝西省西安市鄠邑区圭峰山北麓。
太平国家森林公園：陝西省西安市鄠邑区太平峪内。
公共交通機関：
西安市内からは、西安駅前や城南客運站などから戸県（鄠邑区）行きの長距離バスを利用します。鄠邑区中心部に到着後、各観光スポットへはタクシーや路線バスを利用します。
より便利なのは、西安地下鉄5号線「阿房宮南」駅で西戸線（市郊鉄道）に乗り換え、「鄠邑農民画展覧館では、展示されている作品は大切な文化財です。フラッシュ撮影は避け、作品に触れないようご注意ください。
太平国家森林公園や渼陂湖などの自然公園では、歩きやすい靴を履き、天候の急変に備えて雨具や防寒具を準備することをお勧めします。
公園内では指定された歩道を歩き、危険な場所には近づかないでください。特に瀑布や水辺では滑りやすいので注意が必要です。
戸県は歴史的遺産が多く残る地域です。鐘楼や草堂寺などの史跡では、静かに見学し、建物を傷つけないようにしましょう。
観光の際は、公共交通機関の最終便の時間を事前に確認し、余裕を持ったスケジュールを組むと安心です。特に郊外の公園から戻る時間には気を付けましょう。